スギ内樹皮における人為的な傷害樹脂道形成の確認に要する期間と形成年輪
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概要
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傷害処理を与えてからスギ内樹皮に傷害樹脂道の形成が認められるまでの期間と樹脂道の形成される年輪を知るため, ボカスギとクモトオシ各4個体の樹皮に切除処理を与えて, 処理の3,7,15,30,60,90日後における樹脂道の形成状況を調べた。処理時の樹皮試料(切除片)と処理部に隣接した試料の横断切片を実体顕微鏡下で観察, 比較し, 処理以前に存在していた樹脂道(処理時の試料で観察されたもの)と処理によって形成された樹脂道とを識別した。既存の樹脂道が拡大した例はみられなかった。5月下旬処理では, 処理の15〜30日後にはじめて新たな樹脂道が観察された。6月下旬処理では, 5月下旬処理の場合よりも樹脂道形成にやや長い期間を要する傾向がみられた。樹脂道の形成は第1,2年輪に限られており, 5月下旬処理では第2年輪に形成されることが多かったが, 6月下旬処理では第1年輪にも多く形成された。以上の結果から, スギカミキリ抵抗性の間接検定法に用いられている人為的傷害による樹脂道形成の推定方法について検討した。
- 日本森林学会の論文
- 1988-12-01
著者
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