アカマツにおける自家受粉率と自殖種子率との関係
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概要
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マツ属における自家受精によるシイナの形成は接合体致死遺伝子が発現するためと考えられている。自家受精により接合体が崩壊する確率と多胚現象とを考慮したシイナ形成の頻度に関する理論的モデルに基づき, 自家受粉率と自殖種子率(自家受精由来の胚を有する種子の割合)との関係を表す理論式を誘導した。この関係式によれば, 自家受粉率が同じであっても, 接合体致死遺伝子数の違いにより自殖種子率は大きく異なる。この関係式を実験的に検証するため, 遺伝的マーカー(白子苗)を分離するアカマツクローンを材料として人為的に自家受粉率を変えた人工交配を行った。得られた自家受粉率とシイナ率および自家受粉率と自殖種子率の関係は, 1胚珠内の受精卵の数を2,接合体致死遺伝子の数を5〜6とした場合にモデルによく適合し, このモデルが実用上妥当であることが確認された。さらに, 接合体致死遺伝子数をアカマツ精秀樹等13クローンについて推定した結果, 1〜10とクローンにより明らかに異なっていた。
- 日本森林学会の論文
- 1990-07-01
著者
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