Bacillus thuringiensisの野外昆虫病死体における芽胞形成について
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概要
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Bacillus thuringiensisの, 昆虫病死体における増殖について調べるために, 本菌を主剤とするいわゆるBT剤の添食接種によって死亡したマツカレハ, マイマイガ, およびアメリカシロヒトリの幼虫体における芽胞およびクリスタル(結晶性内毒素)形成の有無を調査した。B.thuringiensisは, マツカレハおよびマイマイガの幼虫体で増殖し, 芽胞およびクリスタルを形成する。アメリカシロヒトリでは芽胞の形成は行われるが, クリスタルの形成はみられなかった。マツカレハにおける芽胞形成は, 死体保存温度34℃の場合, 10〜19℃の室内放置の場合よりも, より良く行われた。マツカレハ幼虫にBT剤を添食接種し, 死亡する前の幼虫を調べると, 体液内に菌体と, 芽胞のう, 芽胞等の形成がみられる場合がある。これはマツカレハ幼虫のB.thuringiensisによる死亡に, クリスタルによる毒作用のみならず, 生菌の働きが関与していることを示していると考えられる。B.thuringiensisの系統による芽胞形成の差は, 今回の供試菌の間では認められなかった。
- 日本森林学会の論文
- 1974-09-25
著者
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