細胞質多角体病ウイルスおよびBacillus thuringiensisの混合液の空中散布によるマツカレハの防除
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概要
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マツカレハ越冬後の幼虫の防除に, 細胞質多角体病ウイルス(CPV)とBacillus thuringiensis(Bt)の混合液の空中散布が有効であった。すなわちCPVとBtの混用によって, 幼虫死亡率は急上昇し, その後も羽化に至るまで主としてCPVによる発病死が継続的に発生し, 総死亡率を有意に増大せしめた。これはBt単用が散布直後のみ有効であること, またCPVは全世代にわたる働きではあるがきわめて遅効的であることにくらべて特徴的な効果である。また被害軽減の点からも, 混合散布区における排糞量の減少状況から, 両者の混用が効果的であった。なお, 混用の場合のCPV量は.単用の場合の10分の1であったが, このように量産困難なCPVを大幅に節約し, 人工培養の容易なBtでこれを置き換えたうえに, それぞれの働きを助長することも, 混用の効果であるといえる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1978-03-25
著者
-
越智 鬼志夫
農林省林業試験場四国支場
-
片桐 一正
農林省林業試験場浅川実験林
-
片桐 一正
林試
-
片桐 一正
農林省林業試験場天敵微生物研究室
-
岩田 善三
農林省林業試験場
-
小林 富士雄
農林省林業試験場
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