マツノマダラカミキリの生態学的研究(I) : 幼虫の齢構成の動き
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概要
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高知県高岡郡中土佐町久礼の壮齢激害林に6日間設置したえさ木調査, 須崎市灰方と浦の内の幼齢激害林および久礼の壮齢林から任意に選んだ枯損木の経時調査によって, マツノマダラカミキリの幼虫の発育状況と齢構成の推移などを調査したところ, 次のような結果を得た。1)7月以降に発生するマツ類の異常木に産卵され, ふ化した幼虫は, 産卵後約1か月, 3齢なかば頃より材の中にせん入を行なう。2)産卵される期間が長いなどのため, はじめの段階ではいろいろの齢の幼虫が一本の木の中に生息しているが, 9月下旬以降材の中にさなぎ室を作る頃になると, 特に密度の低い場合を除いて, 大体幼虫の齢が揃ってくる。3)越冬は, 大部分のものが材内のさなぎ室内の4〜5齢の幼虫で行なわれる。4)よう化, 羽化の時期は, 気温その他の気象的要因によって異なるものと思われるが, 4月下旬〜5月下旬になると半数以上のものがさなぎになり, この頃から羽化が始まる。5)材の中にせん入しないで, 樹皮下にさなぎ室を作り羽化脱出するものが約7%ぐらい認められる。6)大部分のものは1か年で1世代を終るが, 若干のもの(約2%)は, 1か年で1世代を完了しないので, これらのものは2か年を要するものと思われる。
- 1974-01-25
著者
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