温度とアカマツ・スギ・ヒノキのナエの同化・呼吸

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生長のさかんな春〜秋の季節には20℃前後でみかけ同化量はもっともたかい(3図)。それより温度があがると同化量はしだいにさがる。さがりかたは樹種のあいだにちがいがあってスギ・ヒノキでは40〜45℃アカマツでは45℃以上までプラスのみかけ同化量がみとめられる(4図)。温度-呼吸量の関係は樹種による差がなく20〜40℃のQ_<10>は1.5前後であった。しかし呼吸量を同化量に対するわりあいとしてしめすとアカマツの呼吸量はスギ・ヒノキにくらべてちいさい(4図)みかけ同化量と呼吸量から計算した温度-真の同化量もアカマツがスギ・ヒノキにくらべてたかい温度まで同化作用をおこなうことをしめしている(6図)。冬になると温度-みかけ同化量はかわってくる。最適温度より温度がたかくなったばあいの同化量のへりかたが春〜秋にくらべて急激におこりずっとひくい温度でみかけ同化量は0になる(5図)。どの樹種も冬になると単位量あたりの同化量がへる。しかし呼吸量はあまりかわらないかむしろふえ(2表)温度-呼吸量も春〜秋と差がない。これらのことが原因になって冬の温度-みかけ同化量をかえたとかんがえられる。冬の温度-真の同化量はほかの季節にくらべてみかけ同化量のばあいほどかわらない(7図)。アカマツはスギ・ヒノキにくらべてたかい温度まで同化作用をいとなむことができる。しかも冬の同化量のへりかたもすくない。すなわちきびしい温度条件のもとでプラスの同化生産をおこなう能力がそなわっている。このことはアカマツがいわゆる陽樹であるという点からかんがえてきわめて興味ぶかい。
日本森林学会の論文
1961-10-25

温度とアカマツ・スギ・ヒノキのナエの同化・呼吸

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