スギ同齢単純林の樹冠と林冠の形の組立て : 樹冠の形態記載の新しい試み

概要

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葉量の垂直分布から樹冠の寸法諸元と林冠の構造を組み立てることを次の仮定をつかってこころみた : (1)林冠内での葉量の水平的な分布はある同齢単純林内では一様である。(2)樹冠の形はある回転面で近似されるがその下部はとなりの樹冠の影響で変形されている。(3)ひとつの同齢単純林内では樹冠の形は相似である。資料は十分に閉鎖した72年生の造林地の一部を皆伐してとった。樹冠の形は樹頂からの距離と積算葉量の関係および単位土地面積あたりの葉量から円錐として近似され, 樹冠の傾きが求められた。10cm×10cmの格子について, 樹冠の傾き, 樹高および立木の位置から, 各格子の樹冠表面の高さと所属する木がきめられ, 樹冠投影図と林冠等高線図がえがかれた。試料木および標準地の葉量の垂直分布と試料木の全葉量をこれらの図から逆算して実測値とくらべたところ, よく一致しており, この方法はつかいものになることがわかった。また, これらの図から求めた試料木の樹冠の寸法諸元は幹の寸法諸元および生長量と高い相関を示した。
日本森林学会の論文
1979-04-25