切断したわかいアカマツの幹の樹皮呼吸速度と樹液流速度
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概要
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アカマツ立木の樹皮呼吸は, しばしば温度と平行しない日中低下をしめし, ときには温度から予想される値の半分以下にさがる。低下の原因としては, 日中の速くなった樹液流による排出CO_2の一部のもちさりと, 日中の水ストレスによる組織自体の呼吸低下がかんがえられる。樹液流速度は水分欠差の影響をつよくうけるので, 立木でふたつの要因をわけてしらべるのはむずかしい。ここでは切断した幹を材料にすることで, 水分欠差の変化を少なくし, 主として樹液流との関係を検討した。夏と秋に, 7年生のアカマツの1〜5年生の幹の節間で, 直径1.65〜7.25cm, 長さ19〜47cmの切断した試料についてしらべた。樹皮呼吸速度は樹液流が速くなると低下した。夏の晴天の日中, アカマツの樹液流速度はふつう15〜25cm・hr^<-1>といわれるが, このばあいの樹皮呼吸速度は樹液流速度0のときの8〜4割に低下すると期待される。したがって, アカマツの立木でみられる樹皮呼吸の日中低下の幅を, 樹液流による影響だけで説明することは量的には可能といえる。
- 日本森林学会の論文
- 1979-03-25
著者
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