酵素"カルボリガーゼ"の作用によるリグニン構成単位の形成
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概要
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近年フエニール・プロパン(主としてコニフエリール・アルコール)からリグニンの生成機構について活発に研究がなされて来たが, フエニール・プロパン自身の生成過程については研究がないようである。バニリン及びパラヒドロキシ・ベンズアルデヒドをビール酵母醗酵液中に加えると, イーストの酵母・カルボリガーゼによつてバニロイル・メチルケトン及びパラヒドロキシ・ベンゾイルメチルケトンが夫々生じることが本実験によつて明らかにされた。これらの化合物はリグニンのエタノリシス生成物の1つと一致しており, 本酵素は高等植物中にも広く分布していることが知られているので, 植物体中におけるリグニン構成単位としてのフエニール・プロパンの生成過程にカルボリガーゼが関与する可能性があるのではないかと考えられる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1955-06-25
著者
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樋口 隆昌
Faculty of Agriculture, Gifu University
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川村 一次
Faculty of Agriculture, Gifu University
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樋口 隆昌
岐阜大学農学部
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川村 一次
岐阜大学農学部
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井藤 佳美
Faculty of Engineering, Gifu University
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井藤 佳美
岐阜大学農学部
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