隣接するスギ林がヒノキ漏脂病発生に及ぼす影響 : 特にヒノキカワモグリガの食害傷の影響について
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概要
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ヒノキ漏脂病の発生にヒノキカワモグリガが関与するかどうかを明らかにするために, 漏脂病の被害率とヒノキカワモグリガの食痕数を茨城県下の2ヵ所のヒノキ林で調査した。ヒノキ林に隣接する林分の樹種や林齢など林相の違いにより漏脂病の被害率は大きく異なり, またヒノキカワモグリガの食痕数も違っていた。ヒノキカワモグリガは主としてスギ林で密度が高いと考えられているが, 35年生ヒノキの調査林分では, スギ林に隣接したプロットで漏脂病の被害率が著しく高く, 広葉樹に接したプロットでは低かった。30〜40年生のスギ林に囲まれた5年生ヒノキ林では, 隣接するスギ林に近い位置のプロットではヒノキカワモグリガの食痕数が, ヒノキ林の中心部付近のプロットに比べて著しく多かった。これらの調査結果から, ヒノキカワモグリガは漏脂病の病原菌の侵入門戸となる付傷要因として漏脂病の発生に関与すると考えられた。
- 1996-08-16
著者
-
小倉 健夫
茨城県林業技術センター
-
楠木 学
森林総合研究所
-
小岩 俊行
岩手県林業技術センター
-
小岩 俊行
岩手林技セ
-
長谷川 絵里
森林総合研究所
-
宮下 俊一郎
森林総合研究所関西支所
-
小倉 健夫
茨城県林業試験場
-
宮下 俊一郎
森林総研 関西支所
-
宮下 俊一郎
森林総合研 関西支所
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