クチナシのがんしゅ病(新称)
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概要
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1997年秋, 茨城県つくば市内でクチナシの枝や幹にがんしゅ症状を示す新病害が見つかった。罹病木は感染初期に枝や幹で初め小さながんしゅを生じた。その後罹病した枝や幹のほとんどは葉の黄化, 褐変化を起こし最終的に枯死した。しばしばこの病気のために全身的な衰弱や枯死に至っていると考えられるクチナシ株も見い出された。若いがんしゅ状の組織からPhomopsis属の一種が特異的に分離された。この菌の付傷接種により野外のがんしゅ症状と同じ病徴が再現され, 接種1カ月後の組織から同じ菌が再分離された。本菌の胞子の大きさやその他の特徴を木本植物上で記録されているPhomopsis属菌と比較した結果, 本菌は米国のGardenia cankerの病原菌Phomopsis gardeniaeと同定された。本病は日本に未記録の病害であったため, 病名としてがんしゅ病を提案した。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1998-11-16
著者
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