実験流域からの一降雨の流出
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概要
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土壌表層がポーラスで土壌水分不足を補充する以前に地表流下や中間流出が発生することのない流域については次のことが成り立つ。地下水減水曲線を使って降雨を土壌水分不足補充分(Retention water)と降雨流出分(Detention water)とに分ける。これをいくつかの独立降雨について実行し, 降雨流出分と降雨量との関係図を作る。この図の関係曲線を近似的に直線で示すと, この直線の勾配は流域を土壌水分不足量により区分する時の面積割合を示す。このことは山口によりすでに指摘されているが, 著者はこの方法を東京大学愛知演習林の東山試験地の量水流域に適用し, 4月と8月の土壌水分不足量-面積割合を算出した。この結果に野口の土壌水分の季節変動曲線を使用してこの流域の土壌水分不足量の季節変化を新しく計算してみた。この結果を実測降雨量に適用したところ, 5年間の平均で計算流量は実測流量の91%となった。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1963-06-25
著者
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