CO_2排出権取引を想定した森林経営の環境経済学的分析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今後CO_2排出権取引導入に伴う森林経営収支の変化をモデル地域を設定し, 伐期齢ごとに算出した。森林が吸収するCO_2のカウント方法はフローアプローチ方式を用い, 伐採収支に排出権取引の収人を加算して経営収支を算出した。その結果, 収益率最大の伐期齢が, 排出権取引を想定しなかった場合では95年であったが, 想定した場合では90年となった。この伐期齢の変化に伴うメリットとして, 伐期のサイクルが短縮することにより, 1.38t/haの炭素をより多く獲得することが挙げられる。他のメリットは, 森林経営者に追加収入が見込まれ森林整備が行き届く可能性, 伐期が短縮することでの雇用の拡大。間伐収入に追加収入が見込まれ, 間伐材の利用促進の可能性。排出権取引を国民と身近な距離にすることで, 温暖化問題の意識を国民に植え付ける間接的な温室効果ガスの削減の可能性を挙げた。デメリットは, 消費者が排出枠を負担することであり, 木材需要を抑えることを挙げた。また, 排出権取引導入で考察すべき事項についても考察した。
- 日本森林学会の論文
- 2001-08-16
著者
-
井上 公基
日本大学生物資源科学部
-
田中 純一
日本大学生物資源科学部
-
木平 勇吉
東京農工大学農学部
-
坂田 景祐
日本大学大学院農学研究科
-
木平 勇吉
日本大学生物資源科学部
-
坂田 景祐
日本大学大学院生物資源科学研究科
-
木平 勇吉
東京農工大学
関連論文
- 花粉症対策事業による主伐が多摩産材流通および地域林業に与える影響
- 小規模私有林の団地化の可能性に関する検討 : 神奈川県小田原市森林組合を対象としたケーススタディ
- 林業就業を支援する事業が抱える課題に関する考察
- 腰曲げとひねり角度の観察における正確性の評価
- 森林バイオマス資源の収穫・輸送・粉砕に関する既往の研究
- 渓畔域での皆伐が渓流環境に与える影響--皆伐の影響を緩和する渓畔林帯の幅の検証 (〔森林利用学会〕研究発表会特集号)
- 森林調査簿の継続性について
- 葉でわかる樹木-625種の検索-, 馬場多久男著, 信濃毎日新聞社, 396ページ, 1999年, 3,200円+税
- 高性能林業機械作業における作業時間と作業特性に関する基礎研究
- 椎茸菌駒打ち作業による作業負担の実験的検討
- 花粉症対策事業による主伐が多摩産材流通および地域林業に与える影響
- 水辺林が河川の水温と窒素負荷量におよぼす影響
- 林業関係者と都市住民との林業に対する意識格差--その実態と改善方法について
- CO_2排出権取引を想定した森林経営の環境経済学的分析
- 林業経営と育林労働
- 120.林業経営と育林労働
- 109. 林業経営における育林労働の類型(林政)(第68回日本林学会大会)
- 単純繰り返し作業による作業姿勢が作業負担に及ぼす影響
- 動的森林薄システム(I) : システム収穫表に支援された森林情報管理技術
- 自走式搬器による集材作業システムの検討
- 日本大学だより
- 海外情報--カナダ林業機械展"DEMO′96"
- 河畔林の分布とその利用
- 日本,アメリカ合衆国,EU(スウェーデン)の地球温暖化に対する森林政策の比較
- 地理情報の林業経営への応用
- 森林管理計画と流域社会との合意形成
- 多摩丘陵における樹林地の減少過程--1955年から1995年までの樹林地変遷図の作成と分析
- 論壇 新たな森林・林業基本計画への期待
- 特別寄稿 県民参加による環境保全計画のつくり方--丹沢大山総合調査にあたって
- 水辺林が河川の水温と窒素負荷量におよぼす影響
- 森林のC0_2吸収機能に対する助成を想定した林業経営収支モデル
- 動的森林簿システム (II) : 施業計画に基づく森林情報管理
- FSC認証機関の審査の特徴 : 国内17森林の認証結果の分析から
- 高性能林業機械作業における作業時間と作業特性に関する基礎研究
- 腰曲げとひねり角度の観察における正確性の評価
- 単純繰り返し作業による作業姿勢が作業負担に及ぼす影響
- 森林バイオマス資源の収穫・輸送・粉砕に関する既往の研究(バイオマス)
- 渓畔域での皆伐が渓流環境に与える影響 : 皆伐の影響を緩和する渓畔林帯の幅の検証(研究発表会)
- 日本大学だより
- 林業関係者と都市住民との林業に対する意識格差 : その実態と改善方法について
- 主張する森林施業論-22世紀を展望する森林管理-, 森林施業研究会編, 日本林業調査会, 2007年3月, 395ページ, 3,000円(税込み), ISBN978-4-88965-169-0(ブックス,Information)
- 基調講演 森林GISの課題 (今月のテーマ/10周年を迎えた森林GISフォーラム)
- 解説 モデル森林--経緯、概念、現状と課題
- 森に子どもたちを--「樹木博士」に挑戦した300人
- 83個の国民の意見--森林計画の合意づくりへの歴史的な第一歩
- 「開かれた林学研究」と私(リレーメッセージ研究から現場から(1))
- 書店にならぶ森林地図
- 開かれた森林研究へ-日本林学会の最近の動向-
- これからの森林管理と森林GISの役割 (特集 森林GIS(地理情報システム)への道)
- 森林管理と社会とのかかわり--合意形成のマニュアルを考える
- 森林モザイク論--森林の土壌や生態系の破壊を伴わない森林利用はできるか
- 森林の情報とは何か
- 森林の管理手法の体系と問題点 : 特集の編集にあたって(森林の管理手法)
- 信州大学--森林科学科の創設 (大学農学部の機構改正と林学教育)
- 森林と管理・経営の分野 (林業とコンピュ-タ) -- (林業におけるコンピュ-タの利用と展望)
- 中国・海南島北部のマングローブ林の開拓とその後の土地利用変化
- 森と海と地球環境(要旨)(地球環境資源としての森林)
- エコマネーによる地域住民の交流実態の把握 : 藤沢市善行地区を事例として
- 多摩丘陵における樹林地の減少過程 : 1955年から1995年までの樹林地変遷図の作成と分析
- 木曽谷国有林と保続計算(木曽国有林-施業の多様化に向けて-)
- 平成9年度森林利用学会シンポジウム : 高性能林業機械化の今後の課題
- 持続可能な森林管理のための森林計画システムの研究(日本農学賞受賞要旨)
- モデル森林 : 経緯、概念、現状と課題
- 持続可能な森林管理のための森林計画システムの研究
- 日本大学森林循環利用学研究室(研究トピックス)
- 43 森林モザイク論 : 保続計算技術と森林空間配置の関係(林業技術問題(XIX))
- 森林環境教育の実施団体に対して要求される事項の検討 : 日本大学における森林環境教育の実践から