水辺林が河川の水温と窒素負荷量におよぼす影響
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概要
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本研究は,河川の水質浄化機能や水生生物に配慮した河川工事および水辺域環境を評価するために,北上川支流の宮城県栗原郡築館町の内沼に流入する八沢川(YSW)と太田川(OTA)において水温と窒素負荷量を測定した。本研究における水辺域とは河岸から50m以内と定義し,この地域における水辺林の割合が異なる二つの河川を選定した。YSWは,水辺林の少ない護岸工事の進められた河川である。OTAは,水辺林の多い自然河川である。水温測定箇所は,各河川の上・中・下流の3か所設け自動水温計をセットし2001年9月14日から10月12日までの1時間ごとに測定した。水辺林は,最高水温と平均水温の上昇を抑制し,水温日変化を緩和することが明らかになった。水質測定箇所は,YSWに11か所OTAに16か所設けNH_<4^->N, NO_<2^->N, NO_<3^->N濃度を測定した。窒素発生負荷量は, YSWでは76,814 g/day, OTAでは71,203g/dayであり,最下流地点における窒素流達負荷量はYSWでは5,444 g/day, OTAでは6,207g/dayであった。よって, YSWとOTAの窒素発生負荷量の推定値に対する最下流測定地点までの窒素流達負荷量の割合は,YSWで7.1%, OTAで8.7%であり大きな差はみられなかった。したがって,2流域における水質浄化機能は同等であると考えられた。水辺林の割合からは,河川の水質浄化機能を評価することができなかった。
- 2003-08-15
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