林家の伐採性向と地域林業活性化方策 : 青森県の森林組合加入林家の事例
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概要
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青森県の森林組合員に対して森林伐採の状況と森林経営の意向に関するアンケート調査を行い,1,642件の有効回答を得た。林家の伐採の動機で最も多かったのは「森林組合の勧誘」(全林家の43%)であり,「木材価格の上昇」を理由に伐採を決意したのは全体の5%にすぎなかった。これにより,木材価格の上昇は林家の伐採性向を高める最大の要因とはいえず,森林組合の伐採勧誘等伐採についての積極的な啓蒙普及活動が,林家の伐採性向を高める上で重要な役割を果たしていることが明らかとなった。また,森林組合の伐採勧誘に応じる条件として林家は,「適当な木材価格の実現」・「森林組合との信頼関係」・「伐採後の植林の実施」を重要視していることがわかった。さらに,林業労働力の不足は森林保有規模が大きい林家ほど深刻であり,森林組合に労働力確保を期待する林家が大半であることや,森林資源の成熟に伴って森林組合に林産物の販売ルートの開拓を求めている林家が多いことも明らかとなった。今後は林家と森林組合の信頼関係をさらに強めることにより,原木の安定供給体制の確立を図るべきである。
- 日本森林学会の論文
- 1995-09-01
著者
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