これからの私有林政策のあり方と課題 : 私有林の現状と近年の動向をふまえて(テーマ:森林資源の成熟下における民有林の課題,2006年春季大会論文)
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概要
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近年の私有林政策の動向と私有林経営の現状をふまえ,林家が森林政策に対してどのように対応してきたのか,また森林の生産機能から公益的機能重視への政策転換と森林資源の成熟という状況の中で,私有林政策には何が求められているのかを考察した。わが国の林業は「林業不況」というべき深刻な状況に直面しており,育林作業や再造林の放棄,森林売却による林業からの撤退が全国的にみられる。林業は,持続可能な森林利用を通じて山村地域に生きる森林所有者の再生産を実現するための「業」として再生されなければならず,それは森林環境保全や地域の森林資源管理という点からも経済合理性を持っている。したがって,国は森林造成に関する助成策に加えて環境保全を考慮した新たな助成策を講じる必要がある。また,森林(木材)認証制度や木質バイオマスエネルギー利用,二酸化炭素排出枠の取引市場といった新しい森林環境ビジネスの展開の可能性が生まれており,こうした動きを林業の再生に積極的に利用していくことが求められている。
- 林業経済学会の論文
- 2006-03-01
著者
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