都市近郊の森林管理に関する一考察 : 旧入会林野における社会的ニーズに対応した森林管理の試みから
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概要
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都市近郊の森林管理の主体に関する一考察として,入会林野の系譜をひく小田原市外二ヶ市町組合の森林管理を対象とし実態分析を行った。事例地は,現在,公益的機能の発揮などの森林に対する様々な社会的なニーズが発生するなかで,これらに対応した森林管理を試みている。分析の結果,次の2点が明らかとなった。第1に,小田原市外二ヶ市町組合の森林は,特定の集団が排他的に利用してきたかつての入会林野から,社会的なニーズに対応する,市民に開かれた非排他的・公共的な森林へと変化しつつある。第2に,漠とした社会的ニーズを森林管理に反映させるにあたり,地方自治体など森林所有者と市民との接続点となるものの存在が大きな役割を果たしている。この事例を通してみた場合,今後の森林管理は,特定の主体に措定されるというよりは,森林所有者や自治体,市民などの有機的関係のなかで実現されていく可能性が強いと考えられる。
- 林業経済学会の論文
- 1999-03-20
著者
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