気管・気管支再建術と術後合併症(気道再建術と合併症)(第 18 回日本気管支学会総会特集号)

概要

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教室で経験した気道再建術161例を再建部位別に気管(T群), 気管分岐部(C群), 気管支(B群)に分類し, 合併症の種類, 頻度および対処法を検討した。疾患はT群(23例)では良性7例(気切後の気管狭窄4例, 原発腫瘍2例, 気切中の患者に発生した気管腕頭動脈瘻1例), 悪性16例(甲状腺癌13例, 原発腫瘍2例, 肺癌1例)である。C群(22例)は全例肺癌で, T群(116例)は炎症・良性10例, 悪性106例(原発性肺癌105例, 転移性肺癌1例)である。術死はT群0例, C群4例(18.2%), B群3例(2.8%)であった。吻合部縫合不全はC群でのみ4例(18.2%)に認め, 2例は再手術を施行し救命した。吻合部狭窄はT群0例, C群5例(22.7%), B群7例(6.6%)に認め, 6例はレーザー, 2例はステント, 1例は再気管支形成術を施行し良好な結果を得た。他の合併症はT群で両側反回神経麻痺2例, 気管腕頭動脈瘻1例, C群で肺炎2例, B群で肺炎2例, 肺動脈血栓2例を認めた。以上より, 1)良性疾患に対する気道再建術の結果は良好である。2)気管分岐部形成術の手術死亡率はなお高率で, 特に縫合不全に留意すべきである。3)気管支形成術は安全で確立された術式といえるが, 吻合部狭窄に留意する必要がある。
1995-12-25