協調推論型知識情報処理の一方式 : 列車スケジューリングを具体例とした提案と評価
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概要
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産業分野におけるエキスパートシステムの開発が盛んであるが,1人の専門家を代行するエキスパートシテムが中心である.現実社会では複数専門家の協議の必要な大局判断が判断業務のネックとなる場合が多いが,目標や制約が複雑・不明確かつ競合するため,その計算機化は難しい.例えば,列車タイヤ作成など列車(運行)スケジューリングでは,列車・旅客・運用など各関係の専門家間の利害調整や協議がネックになる.本論文では,列車スケジューリングを具体例に,大局判断ネックの軽減を目的として複数専門家の推論・協議を計算機と1人の人間(熟練者でなくても良い)により代行可能とする協調推論型知識情報処理の一方式を提案する提案方式は,オブジェクト指向やアクタ理論をベースとするが,「オブジェクトの理論的表現であるアクタ理論のアクタとは異なり,1人の専門家に相当するオブジェクトをアクタ(俳優,登場人物.ただしユーザである1人の人間もアクタと考える)として,一般のオブジェクトと区別して概念化し,複数のアクタが互いに関連する要求や問題点をメッセージバッシングにより交信するための枠組としての協議劇」として,スケジュール立案のための複数専門家の推論や協議すなわち協調推論をモデル化するものである.実験システムを開発し,その有用性を示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-04-15
著者
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