キュウリモザイクウイルスサテライトRNA4分離株の比較
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概要
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栃木県下の畑で採集したキュウリモザイクウイルス(CMV)感染植物からCMVのサテライトRNA (satRNA)4分離株(S19-, T43-, T62-, T73-satRNA)を得, それらの物理的, 生物学的性質について比較検討した。S19-とT73-satRNAはY-satRNAと同様にトマトに軽いモザイクを生じるのに対して, T43と162はトマトにえそ症状を誘導した。塩基配列決定の結果, T43とT62は384塩基からなる同一のサテライトRNAであることが判明した。これらの塩基配列を相互にあるいは他のCMVsatRNA分離株と比較したところ, S19-とY-satRNAとの間で91%, T43-とOY2-satRNAとの間で94%の高い相同性が認められた。各分離株の塩基配列中に共通するopen reading frameはみられず, satRNAはその生物活性に必須のタンパク質をコードしていないものと考えられた。寄生植物としてタバコを, ヘルパーウイルスとしてCMV-Oを用いて, それぞれのsatRNA分離株とY-satRNAとを混合接種した結果, T43-の複製能はY-satRNAのそれより優勢で, T73-とY-satRNAの複製能はほぼ同等か, あるいは前者がやや優れていた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1990-04-25
著者
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林 由美子
日本たばこ生命科学研究所
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王 蔚芹
宇都宮大農
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増田 税
日本たばこ産業(株)生命科学研究所
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王 蔚芹
日本たばこ産業(株)生命科学研究所
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高浪 洋一
日本たばこ産業(株)生命科学研究所
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林 由美子
日本たばこ・中研
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増田 税
日本たばこ産業 (株) 生命科学研究所
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