ジャガイモ塊茎細胞の^<86>Rb^+漏出に対する疫病菌感染および疫病菌遊走子不溶性成分の影響

概要

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^<86>Rb^+を吸収させたジャガイモ塊茎ディスクにPhytophthora infestansの非親和性レース(race 0)および親和性レース(race1, 2)を接種し, 接種面からの^<86>Rb^+の漏出量を測定した。非親和性レース接種の場合には過敏感細胞死が起る前にわずかであるが確実に漏出が促進され, 親和性レースの場合にはその影響はみられなかった。前報告の結果から, ^<86>Rb^+では^3H-L-leucineおよび^<32>Pの場合と異なり非親和性レースの感染初期に吸収および漏出がともに促進されると考えられる。一方, 疫病菌遊走子の酢酸緩衝液(pH4.5)不溶性成分(C分画)を塊茎ディスクに処理すると, ^<86>Rb^+の漏出は阻害される。非親和性レース感染により^<86>Rb^+の漏出が促進されるので, C分画と感染ではその影響が異なる。これらの結果はC分画が厳密な意味での過敏感反応そのものではないことを示しているか, あるいはここで用いられた方法ではC分画が感染と同じ宿主の反応を誘導できないことを示すと考えられる。
日本植物病理学会の論文
1981-07-25