トマト・アルターナリア茎枯病菌が生産する AL 毒素のトマト培養根に対する作用
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概要
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トマト・アルターナリア茎枯病菌が生産する宿主特異的毒素(AL毒素)のトマト培養根に対する作用について検討した。アルターナリア茎枯病感受性トマト品種三重ファーストおよび抵抗性品種サターンから培養根を調製した。両品種の培養液を種々の濃度のAL毒素Iを添加した培地中で6日間培養し, 培養根の新鮮重量を測定した結果, 感受性品種では, O.O1μg/ml以上の毒素によって根の生育異常が観察され,1μg/ml以上では生育が完全に阻害された。また,抵抗性品種でも,0.1μg/ml以上の毒素によって培養根生育が抑制された。次に, 細胞の生存率検定法としてMTT比色定量法を用いて, 培養根細胞の毒素反応性を調査した。その結果, 感受性品種の培養根では, 1μg/mlの毒素によって2日目から細胞生存率が減少し, 10μg/mlの毒素添加培地中では, 3日目以後生存率が約20%に低下した。また, 細胞生存率の低下した培養根では, 根全体の若干の褐変化や根先端部のえ死が観察された。一方, 抵抗性品種の培養根では, 10μg/mlの毒素添加培地中で5日間培養した場合にも細胞生存率の低下は認められなかった。以上の結果から, AL毒素は感受性品種だけでなく抵抗性品種の培養根に対しても顕著な生育阻害活性を示すが, 培養根細胞に対するえ死毒性は宿主選択的であることが明らかとなった。
- 1992-07-25
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