アルファルファ圃場の土壌より分離されたPhytophthora cryptogea Pethyb. & Laff.について
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概要
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1978年, 北海道新得町のアルファルファ圃場の土壌より未知のPhytophthora属菌が分離された。本菌はジャガイモ煎汁寒天培地上では花弁状の菌叢を示した。Hyphal swellingsはアルファルファ実生苗上でcluster状に豊富に形成された。遊走子のうは乳頭突起が不明瞭で, 多くは卵形〜楕円形, 担子梗より脱落せず, proliferationとsympodial elongationにより新しい遊走子のうを生じた。V-8ジュース寒天培地に無殺菌の土壌抽出液を処理して形成される遊走子のうの大きさは平均53.7×32.4μmであった。分離した39菌株はすべてA^2 mating typeで, P. cinnamomi A^1菌株との対峙培養により球形平滑の蔵卵器, 底着の蔵精器を生じたが, 完全な卵胞子の形成は稀であった。トウモロコシ煎汁寒天培地上での生育適温は28C, 最低生育温度5C, 最高36〜37Cであった。本菌は土壌接種でアルファルファをはじめ多くの植物に病原性を示し, ジャガイモ塊茎には有傷接種でpink rot症状をおこした。上述の特徴から本菌はP. cryptogeaかP. drechsleriに相当し, ディスク電気泳動により輸入した両菌との識別を試みた。両菌と本分離菌株の菌体蛋白パターンはほぼ一致し, 両種が同種であるという説を裏づける結果が得られたので, 本分離菌株を先名権によりP. cryptogea Pethyb. & Laff.と同定した。
- 日本植物病理学会の論文
- 1979-07-25
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