-80℃の凍結によるブロッコリーべと病菌分生胞子の保存
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
純寄生菌であるブロッコリーべと病菌 (Peronospora parasitica)の分生胞子を蒸留水に懸濁し, -20℃で凍結した場合, 発芽率は無処理に比較して著しく低かった。しかし, 5% dimethyl sulfoxide (DMSO)および5% skim milkに分生胞子を懸濁した場合には, 分生胞子の発芽率はそれぞれ74.8%, 32.8%と高く維持された。また, 胞子懸濁液を-80℃で直接凍結した場合, 発芽率は著しく低下したが, -20℃で24時間凍結後-80℃に移すと, 分生胞子の発芽率は-20℃でのみ凍結した懸濁液と同程度に維持された。-20℃で保存した場合, 5% DMSO+5% skim milkに懸濁した分生胞子は, わずか1か月で発芽力を失った。しかしながら, 10% DMSO+5%skim milk ,10% DMSO+10% skim milkを分散媒とした分生胞子の懸濁液を-20℃で凍結した後に-80℃で保存した場合サ分生胞子の発芽力は少なくとも12か月間高く維持された。これらの分生胞子では, ブロッコリーの子葉に対しても高い病原性が認められた。これらのことから, ブロッコリーべと病菌の分生胞子は, 10% DMSO+5% skim millkまたは10% DMSO+10% skim milkの分散媒に懸濁したものを-20℃で予備凍結後-80℃で凍結保存することによって長期保存が可能であることが示唆された。
- 日本植物病理学会の論文
- 1993-10-25
著者
関連論文
- アイリスイ***ースポットウイルス(IYSV)によるアルストロメリア条えそ病(新称)とウイルスの分布解析
- (77) キャベツ市販種子などから分離された黒すす病菌のRAPD解析(関西部会講演要旨, 平成16年度地域部会講演要旨)
- わが国で発生したジャガイモMウイルスの分子性状および血清学的性状の解析(北海道部会講演要旨,平成17年度地域部会講演要旨)
- (187) アルストロメリアから分離されたTobamovirusと小球形ウイルスの同定(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (186) アルストロメリアに発生するウイルスの実態調査とキュウリモザイクウイルスおよびアルストロメリアモザイクウイルスの特性(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (320)トマト黄化えそウイルス(TSWV)のジャガイモ品種に対する反応とRT-PCRによる検出(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (366)キュウリモザイクウイルスPF系統はサブグループIとIIのシュードリコンビナントウイルスである(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (37)千葉県で数種花き類及びタマネギに発生した黄化えそ症状とIris yellow spot virus(IYSV)
- (17)アルストロメリアに黄化えそを起こすIris yellow spot virus(IYSV)の諸性質
- 「St. No.1」におけるイネ縞葉枯病抵抗性遺伝子領域とその塩基配列
- (217)アマゾンユリ(ユーチャリス)から分離された新ウイルス : アマゾンユリ微斑ウイルスAmazon lily mild mottle virus(新称)
- アルストロメリアから分離されたIris yellow spot virus(九州部会講演要旨)
- (251) CMV外被蛋白質遺伝子を導入した組換えトマトからの強いウイルス抵抗性クローンの選抜 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (194)キュウリモザイクウイルス複製酵素遺伝子部分配列のトマトへの導入(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (64)アブラナ科野菜べと病菌に特異的なプローブの探索(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (42) キュウリモザイクウイルスの単独およびカボチャモザイクウイルスとの重複感染によって起こるエンドウの茎えそ症状 (関西部会)
- シュクコンカスミソウのうどんこ病 (新称)
- ハクサイ, カブ (Brassica campestris) およびダイコン (Raphanus sativus) から分離したべと病菌 (Peronospora parasitica) の宿主範囲
- キャベツおよびブロッコリー (Brassica oleracea) から分離したべと病菌 (Peronospora parasitica) の宿主範囲
- (23) シュクコンカスミソウに発生したうどんこ病 (新称) (日本植物病理大会)
- L-乾燥, 凍結乾燥およびシリカゲル乾燥法を用いたタバコ輪点ウイルス感染葉の粗汁液と組織片による病原性の長期保存
- タバコ輪点ウイルスのL-乾燥と凍結乾燥による保存法の比較
- アマゾンユリ Eucharis grandiflora から分離された新種の potyvirus, アマゾンユリモザイクウイルス
- (238) CMV外被蛋白質遺伝子を導入したトマトのウイルス抵抗性の発現 (日本植物病理学会大会)
- -80℃の凍結によるブロッコリーべと病菌分生胞子の保存
- (265) ユーチャリスEucharis grandiflora のモザイク病株より分離されたpotyvirus : Amazon Lily mosaic virus (新称) (日本植物病理大会)
- (124) アブラナ科べと病菌の単胞子分離およびその寄生性 (日本植物病理大会)
- (38) Fusarium chlamydosporumおよびF.pallidoseumによるアニゴザンサス立枯病 (関西部会)
- (1) ユーチャリスEucharis grandifloraより分離された宿主範囲の著しく狭いキュウリモザイクウイルス(CMV)の1系統 (関西部会)
- (189) ブロッコリーべと病菌の長期凍結保存方法 (日本植物病理学会大会)
- 3種 Cucumoviruses の凍結乾燥による保存条件の共通性
- (54) ズッキーニ黄斑モザクウイルス (ZYMV) の遺伝子解析1. 3'末端非翻訳領域および外被蛋白遺伝子 (関西部会)
- イネ萎縮ウイルスゲノムセグメントのアガロースとポリアクリルアミドゲル電気泳動における移動度の逆転
- (196) イネ褐条病菌のプロリン要求性変異株による形質転換および伝達能の向上 (日本植物病理学会大会)
- (12) イネ萎縮ウイルスゲノムの電気泳動時のふるいによる移動度の逆転現象 (関西部会)
- インゲンマメ南部モザイクウイルスとカーネーション斑紋ウイルスの凍結乾燥保存中の安定性
- (188) イネ褐条病菌およびトマト青枯病菌のアミノ酸要求性と温度感受性変異株の作出 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (272) イネ萎縮ウイルスの分節ゲノムS9の遺伝子構造と翻訳産物 (昭和63年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (16) L-乾燥保存によるイネ萎縮ウイルスの活性維持 (昭和62年度地域部会講演要旨(秋季関東部会講演要旨)
- (198) 6種ウイルスの凍結および凍結乾燥保存中の活性変化 (昭和62年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (49) 凍結乾燥保存された3種 Cucumovirus の活性比較 (秋季関東部会講演要旨)
- (6) グラジオラスから分離されたソテツえそ萎縮ウイルス (夏季関東部会講演要旨)
- カーネーション斑紋ウイルスの保存に及ぼす各種添加物の影響
- (222) タバコ輪点ウイルスの L-乾燥保存 (昭和61年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (199) 京都府下のアズキ (京都大納言) に発生した Potyvirus について (昭和61年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- Peanut chlorotic ring mottle virus の RNA と外被蛋白の諸性質
- インゲンマメ南部モザイクウイルスの保存に及ぼす各種添加物の影響
- (235) マレーシアのダイズおよびラッカセイから分離されたウイルス (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (223) カブモザイクウイルスとラッカセイ斑紋ウイルスの保存 : 凍結および凍結乾燥保存時の各種添加物の影響 (昭和59年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- タバコ輪点ウイルスとダイコンひだ葉モザイクウイルスの保存に及ぼす各種添加物の影響
- (265) タイのラッカセイから分離された peanut mottle virus (PnMV) と数種ウイルスとの比較 (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- カブモザイクウイルスの保存に及ぼす各種添加物の影響
- (17) タイのラッカセイから分離された peanut mottle virus と tomato spotted wilt virus について (夏季関東部会講演要旨)
- (238) Alfalfa mosaic virus の凍結および凍結乾燥保存時の各種添加物の影響 (昭和57年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- グラジオラスから分離された4種のウイルス
- トマト黄化えそウイルスの保存に及ぼす各種添加物の影響
- 13. 小球形植物ウイルスの保存に及ぼす各種添加物の影響(昭和56年度第27回凍結及び乾燥研究会特別講演および研究報告)
- (243) SBMVとCaMVの保存 : 凍結乾燥が粒子とRNAに及ぼす影響 (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- キュウリモザイクウイルスの保存に対する各種添加物の影響
- (248) SBMVとCaMVの保存 : 凍結および凍結乾燥時の各種添加物の影響 (昭和55年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (234) TobRSVとREMVの保存 : 各種添加物の凍結および凍結乾燥におよぼす影響 (昭和54年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (33) Tomato spotted wilt virusの保存-各種添加物の保存におよぼす影響 (昭和53年度地域部会講演要旨(秋季関東部会))
- (174) カブモザイクウイルスの保存 : 各種添加物の保存におよぼす影響 (昭和53年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ヤマノイモえそモザイクウイルス
- (228) CMVの保存 : 凍結乾燥標品の保存に及ぼす添加物の影響 (昭和52年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (225) グラジオラスから分離されたウイルス (昭和51年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- わが国のカーネーションウイルス : CaMoV, CaLVおよびCaVMVについて
- (167) CMVの保存 : CMVに対する添加剤と凍結乾燥処理の影響 (昭和50年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (22) ヤマノイモえそモザイクウイルス (秋季関東部会講演要旨)
- (54) ズッキーニ黄斑モザクウイルス (ZYMV) の遺伝子解析1. 3'末端非翻訳領域および外被蛋白遺伝子 (関西部会)
- (54) ズッキーニ黄斑モザクウイルス (ZYMV) の遺伝子解析1. 3'末端非翻訳領域および外被蛋白遺伝子 (関西部会)
- (11)レタス根腐病菌病原性グループ1のビオチン要求性について
- (167) レタス根腐病菌レース3の2つの系統に特異的なDNAマーカー(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (6) レタス根腐病菌レース2に対する抵抗性DNAマーカー(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ブロッコリーの花蕾に発生するべと病の感染時期
- (153)レタス根腐病菌レース1および2にそれぞれ特異的なDNAマーカーの作製(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (142)日本国内で発生しているレタス根腐病菌の菌糸和合性群(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (129)レタス根腐病菌に特異的なDNAマーカーの作製(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 新しく発生したべと病菌レースに対するホウレンソウ品種の抵抗性検定(東北部会講演要旨)
- セントポーリアうどんこ病
- コールラビべと病(新称)
- ホウレンソウベと病菌の新レースに抵抗性を持つ品種の探索
- (303)レース4抵抗性品種におけるホウレンソウべと病の発生
- (167)レタス根腐病菌株間におけるアミノ酸要求性の差異
- 日本国内で発生しているレタス根腐病菌のRAPD解析(東北部会講演要旨)
- 日本国内で発生しているレタス根腐病菌のレタス品種に対する病原性差異(東北部会講演要旨)
- 病原性群が異なるVerticillium dahliae菌株のイチゴ品種に対する病原性の差異
- ネギに葉枯病を起こすStemphylium vesicarium
- カリフラワーのべと病(新称)
- (343) Peronospora parasiticaによるカリフラワーベと病(新称) (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- Rhizoctonia solaniによるチコリーすそ枯病(新称)
- (253)ガーナにおける乾期野菜作で問題となる病害虫(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- アブラナ科野菜に発生するべと病菌の寄生性分化に関する研究
- (76) 愛媛県で発生したトマト葉かび病菌のレースおよび日本での新レースの発生(関西部会講演要旨, 平成16年度地域部会講演要旨)
- (105) 日本におけるホウレンソウベと病菌レース5およびレース6の発生(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (26) ウリ類炭疽病菌の接種量と侵入能欠失変異株がキュウリの抵抗性とサリチル酸蓄積の誘導に及ぼす影響(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- H214 ホウレンソウケナガコナダニの高温耐性と熱水土壌消毒による防除の可能性(一般講演)
- ホウレンソウベと病の発生要因と抵抗性品種の判定方法
- アブラナ科野菜のべと病の発生と寄生性
- アフリカンマリ-ゴ-ルドに発生した灰色かび病 (特集 最近話題の花の新病害)