炭素源を違えて培養した Rhizoctonia solani の菌糸の生育およびトレハロース量に及ぼすバリダマイシンAの影響
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概要
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トレハロースは Rhizoctonia solani の菌糸の主要な糖で, 培地の糖源の種類にかかわらず乾燥菌体の8%以上を占めていた。菌体内のトレハロース含量は, トレハラーゼの阻害剤であるバリダマイシンA(VM-A)の添加により増加した。R.solaniの菌糸の生育は炭素源の種類により多少の違いが認められたが, トレハロースが唯一の糖源である培地のとき, VM-Aは菌糸の生育を顕著に抑制した。これらの結果から, トレハロースは R. solani の生育に必要なグルコースを供給する貯蔵糖の役割を果たしており, VM-Aによってトレハラーゼ活性が阻害される結果グルコースの供給が遮断され, 菌糸の生育が抑制されて, イネ紋枯病防除効果を発現するものと思われる。
- 日本植物病理学会の論文
- 1992-12-25
著者
-
奥野 哲郎
Laboratory Of Plant Pathology Faculty Of Agriculture Kyoto University
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奥野 哲郎
京都大学農学部
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松浦 一穂
Agricultural Research Laboratories, Agro Division, Takeda Chemical Industries, Ltd.
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繁本 令子
武田薬品工業株式会社農業科学研究所
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松浦 一穂
武田薬品工業株式会社農業科学研究所
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松浦 一穂
Agricultural Research Laboratories Agro Division Takeda Chemical Industries Ltd.
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松浦 一穂
武田薬品工業(株)農薬研究所
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