バリダマイシンAのPseudomonas solanacearumに対する抗菌活性とトマト青枯病防除効果
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概要
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バリダシン^<[○!R]>の有効成分であるバリダマイシンA (VM-A) はRhizoctonia solaniによるイネ紋枯病に卓効を示す薬剤である。VM-AはR. solani由来のトレハラーゼを阻害することが報告されている。本報告では, Pseudomonas solanacearumに対するVM-Aの抗菌活性と, トマト青枯病防除効果について調べた。VM-Aはトレハロースを唯一の糖源としたときのみに, P. solanacearumに対して抗菌活性を示し, その活性は増殖抑制効果であった。トレハロース液体培地に50μg/mlのVM-Aを処理したときのP. solanacearumの増殖速度は, 培養1から8日後までは, 糖源を含まない培地のときと同程度に強く抑制された。VM-Aは温室内でのポット試験, 圃場試験で高い防除効果を示した。圃場試験で, VM-Aは250μg/mlの茎葉散布 (接種5日前および2日後) で, 接種4週間後に47.4%の防除効果を示した。無処理のトマト茎からは, 地上部から5cmの範囲でP. solanacearumが3.84×10^<10>cfu/ml生重検出されたが, VM-A処理のトマトの同部位からは病原菌は2.13×10^9cfu/ml生重しか検出されなかった。以上の結果より, VM-Aはトマト内でのP. solanacearumの増殖を抑制することで, 青枯病の発病遅延効果を発現するものと考えられた。
- 1996-10-25
著者
-
石川 亮
住友化学(株)
-
石川 亮
武田薬品工業(株)農業科学研究所
-
松浦 一穂
滋賀県大環境科学
-
藤森 健一
武田薬品
-
松浦 一穂
武田薬品工業株式会社農業科学研究所
-
藤森 健一
武田薬品工業農業科学研
-
松浦 一穂
武田薬品工業(株)農薬研究所
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