いもち病菌胞子及び菌糸からのプロトプラストの分離とその発芽形態に及ぼすいくつかの因子
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概要
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いもち病菌胞子からのプロトプラストはザイモリアーゼと β-グルクロニダーゼを, また, 菌糸からのプロトプラストはドリセラーゼとセルラーゼを用いることにより効率よく分離できた。胞子及び菌糸プロトプラストは細胞壁を再生後, 直接菌糸復帰する場合とイースト様に出芽する場合が認められた。培養時の pHが高い (pH 7.0) 場合は液体中で大半のプロトプラストは直接菌糸復帰したが, pH が低い (pH 5.0) 場合は大半が出芽様発芽をした。pHが低い場合でも寒天中 (1%以上)で培養すると直接菌糸復帰する細胞が増大した。カルコフロールホワイトで染色すると, 細胞壁再生細胞と出芽様細胞の螢光強度は培養液の pH が高くなるに従って増大したが, 復帰菌糸のそれは pH に影響されなかった。このことは細胞壁再生過程が pH により影響を受けること, また, その結果, 発芽形態の差となって表れる可能性を示唆している。
- 日本植物病理学会の論文
- 1986-12-25
著者
-
浅井 智子
武田薬品農薬研
-
奥野 哲郎
Laboratory Of Plant Pathology Faculty Of Agriculture Kyoto University
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奥野 哲郎
武田薬品工業(株)アグロ事業部農業科学研究所
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松浦 一穂
Agricultural Research Laboratories, Agro Division, Takeda Chemical Industries, Ltd.
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松浦 一穂
武田薬品工業株式会社農業科学研究所
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浅井 智子
武田薬品工業(株)農薬研究所
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松浦 一穂
Agricultural Research Laboratories Agro Division Takeda Chemical Industries Ltd.
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松浦 一穂
武田薬品工業(株)農薬研究所
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