浸透性殺菌剤フェリムゾンによるサリチル酸はウイルス感染に対する抵抗性誘導能をもつ
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概要
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フェリムゾン, (Z)-2′-methylacetophenone 4, 6-dimethylpyrimidin-2-ylhydrazoneをタバコおよびササゲに処理した際には, 内在性サリチル酸量の増加が認められた.そこで, フェリムゾン処理を行なった植物に, タバコモザイクウイルス(TMV), あるいは, キュウリモザイクウイルス(CMV)の接種を行なったところ, サリチル酸処理の場合と同様な局部獲得抵抗性を示した.さらに, タバコの場合はTMV接種に対して全身獲得抵抗性が確認された.これらの抵抗性は, それぞれの植物に対するTMV, あるいは, CMV接種による局部病斑の50%以上の減少として観察された.フェリムゾンは植物体に内在性サリチル酸を誘導する作用性があり, フェリムゾン処理された植物体はこの内在性サリチル酸量の増加によって抵抗性を獲得することが示唆された.
- 日本農薬学会の論文
- 1996-02-20
著者
-
奥野 哲郎
Laboratory Of Plant Pathology Faculty Of Agriculture Kyoto University
-
中山 政治
武田薬品
-
中山 政治
Agricultural Research Laboratories, Agro Division, Takeda Chemical Industries, Ltd.
-
松浦 一穂
Agricultural Research Laboratories, Agro Division, Takeda Chemical Industries, Ltd.
-
松浦 一穂
Agricultural Research Laboratories Agro Division Takeda Chemical Industries Ltd.
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