本田発病に関与するイネ葉鞘でのイネもみ枯細菌病菌の動態
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
圃場において, イネもみ枯細菌病菌懸濁液を出穂期28〜31日前の3品種のイネに噴霧接種し, 接種後8〜11日に最上位葉鞘を, また同21〜27日に止葉葉鞘を採取し, S-PG選択培地を使用することにより葉鞘ごとの病原細菌の検出頻度を調べた。その結果, 最上位の葉鞘からの本病原細菌の検出頻度は節間伸長後に顕著に低下するのが認められた。また, 葉鞘ごとの病原細菌量は, 対数正規性を示したことから, 最上位葉鞘における本菌量は葉鞘ごとの細菌量を調べることにより, 比較的正確に推定できることが示唆された。次に, 接種時期を変えた圃場において, 止葉葉鞘での本病原細菌保菌頻度(FFP)と発病との関係を調べた。その結果, FFPと出穂期1週間後の発病度との間には高い正の相関(γ=0.78)が得られたが, 同2, 3週間後では相関は認められなかった。これらの結果から, 止葉葉鞘上の病原菌が圃場での本病の初期発生に重要な役割を果たしていること, および止葉葉鞘保菌頻度が本病の発生を予測するための一つの有効な手段となることを示唆していると結論した。
- 1996-04-25
著者
-
小板橋 基夫
農環研
-
対馬 誠也
農環研
-
小板橋 基夫
農業環境技術研究所
-
對馬 誠也
農業環境技術研究所
-
對馬 誠也
東北農業試験場
-
内藤 秀樹
秋田県大生資
-
内藤 秀樹
農業研究センター
-
小板橋 基夫
野菜茶業試験場久留米支場
関連論文
- (130) ウリ類に発生するホモプシス根腐病菌のrRNA遺伝子のITS領域に基づく分子系統解析(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (175) 葉上生息性バクテリアル・エピファイトによるトマト地上部病害の制御(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- PA-09 健全コムギ穂に生息する細菌の群集構造およびクオラムセンシング関連シグナル分子の生産性(農耕地生態系,ポスターセッションA,ポスター発表)
- (404) 健全コムギ穂に生息する細菌群集におけるN-acylhomoserine lactone化合物類の生産能(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 1Fp23 植物から分離された糸状菌による生分解性プラスチックの分解と分解酵素の活性(発酵生理学・発酵工学,一般講演)
- (4)Penicillium oxalicumによるトマト緑かび病(新称)(関東部会講演要旨,平成19年度地域部会講演要旨)
- (333) 健全および赤かび病罹病コムギ小穂に生息する細菌群集構造(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (167) Penicillium sp.によるトマト緑かび病(新称)(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (78) ムギ栽培圃場由来の細菌によるDeoxynivalenol分解(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 130年間収集された農業環境技術研究所所蔵微生物標本のデータベース作成
- (238) ダイズ葉および莢果から分離された細菌相の構成(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (223) イネ生息細菌の群集構造に及ぼす展着剤の影響(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (167) 健全イネおよびいもち病罹病イネに生息する細菌の群集構造およびいもち病菌に対する拮抗能(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- PB-50 ダイズ葉および莢果に生息する細菌フロラ(群集構造解析,ポスターセッションB,(1)ポスター発表会,研究発表会)
- PB-15 ムギ栽培圃場から分離されたDeoxynivalenol分解細菌(バイオレメディエーション,ポスターセッションB,(1)ポスター発表会,研究発表会)
- (215) イチゴ葉と葉柄における細菌相とイチゴ炭疽病に対する発病抑制効果(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (91) 温度と濡れ時間にもとづくネギさび病発病予測モデルの開発(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (306) 非培養法による精米関連微生物の多様性解析(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- イネ体でのイネもみ枯細菌病菌の増殖過程
- イネもみ枯細菌病菌の継代培養に伴う集落型の変異と病原性
- (3) 九州地域におけるイネいもち病菌レースの分布動態 (九州部会講演要旨)
- (187) アルストロメリアから分離されたTobamovirusと小球形ウイルスの同定(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (28) 窒素の2回追肥が葉いもち感受性に及ぼす影響 (東北部会)
- (16) レタス根腐病菌各レースのrDNA-IGS領域の塩基配列に基づく系統解析(関東部会講演要旨, 平成16年度地域部会講演要旨)
- (418)イチゴ葉の細菌群集構造とこれら分離菌のイチゴうどんこ病発病抑制効果(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (114) 分光測色計によるイネ体のいもち病多発危険値の推定 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (83) イネいもち病菌の分子連鎖地図作成に向けたAFLPマーカーの探索 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (1) 1994年関東東海地域におけるイネいもち病菌のレース分布 (関東部会)
- 水稲無病化種子「玄米種子」による種子伝染性病害の防除効果
- 水稲ロングマット水耕育苗法における種子消毒剤の適応性
- イネばか苗病による徒長苗の形態とばか苗病菌の分布およびプール育苗による発病抑制(学術報告)
- (50) 1976年から1990年の愛知県におけるイネいもち病菌レースの分布変動とその地域間差 (関西部会)
- (27) Cylindrocladium canadenseによるイチゴ苗立枯病(新称)(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (94)水稲の無病化種子「玄米人工被膜種子」による種子伝染性病害の防除(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (20) コムギ「枯れ熟れ様障害」株から分離された糸状菌の病原性 (九州部会)
- (7) 宮崎,熊本両県のイネとトウモロコシの褐変部から分離された4種の病原細菌 (九州部会)
- (225) イチゴ葉の細菌群集構造とこれら分離菌のイチゴうどんこ病発病抑制効果(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (9)秋田県に自生するヤマノイモ(Dioscorea spp.)から得られるウイルス(東北部会講演要旨)(平成15年度地域部会講演要旨)
- (286)韓国産ツクネイモ(Dioscorea opposita)に発生するヤマノイモモザイクウイルス(JYMV)の5'非翻訳領域,P1およびCP遺伝子の塩基配列(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 2P-2014 籾殻に棲む酵母菌を用いた生分解性プラスチックの分解促進(5a 環境浄化,修復,保全技術,一般演題,環境バイオテクノロジー,伝統の技と先端科学技術の融合)
- 種子伝染によるイネ苗いもち発病の実証
- 1C-4 かび毒Deoxynivalenol(DON)分解細菌からのDON分解酵素遺伝子の取得と解析(口頭発表)
- 07-122 ムギ類に蓄積する赤かび毒deoxynivalenol(DON)分解細菌の環境中での分布と多様性(その他,研究発表)
- (23) 非線形最小二乗法によるイネ葉いもちのシミュレーションモデルBLASTLのパラメータ推定とモデルのvalidation (日本植物病理学会大会)
- (175) クラスター分析法を用いた土壌生息性拮抗細菌群の多様性評価 (日本植物病理学会大会)
- (9)キュウリホモプシス根腐病(接木栽培)における病原菌の土壌伝染源密度と発病株率の関係(東北部会講演要旨,平成19年度地域部会講演要旨)
- (187) モザイク症状を呈した栽培ジネンジョ(Dioscorea japonica)に発生するウイルスとその起源・拡散(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (139) Time Release Fluorescent PCRによるキュウリホモプシス根腐病菌の土壌からの検出(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (44) トマト斑点病の感染・発病における温度と濡れ時間の影響(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (66) 北海道における雪腐黒色小粒菌核病菌生物型Aのジェネットの存在 (日本植物病理大会)
- 2H17-2 葉面生息酵母は生分解性プラスチックを効率よく分解する(環境浄化・修復・保全技術,一般講演)
- I318 生分解性プラスチック分解能を持つ微生物の昆虫消化管内及び体表からの探索
- (157) イネもみ枯細菌病の拮抗細菌(Kyu-A891菌株)による防除 (平成2年度大会講演要旨)
- (156) イネもみ枯細菌病菌に対する拮抗微生物の探索とその発病抑制効果 (平成2年度大会講演要旨)
- 九州地域から採取したコムギうどんこ病菌のレ-スと3種のレ-スに対するコムギ品種・系統の抵抗性反応
- Pseudomonas gladioli を検出するための DNA プローブ
- イネもみ枯細菌病菌検出のためのDNAプローブ
- (193) イネもみ枯細菌病菌検出のための特異プローブの作成 (日本植物病理学会大会)
- (101) 畑土壌から分離されたPythium ultimum var. ultimumの2つの種内形態型のRAPDパターンによる比較 (日本植物病理大会)
- (120) Verticillium dahliaeのTV-103菌株より得たDNAプローブの種内菌株に対する特異性 (日本植物病理学会大会)
- (115) Fusarium oxysporum f. sp. radicis-lycopersici特異的DNAプローブの作成 (日本植物病理学会大会)
- (197) イネもみ枯細菌病の発病, 病原細菌の増殖と授精の関係 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (196) イネもみ枯細菌病の二次伝染機構と重症穂による発生予察法について (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (101) 海外飛来セジロウンカから分離された糸状菌および東シナ海洋上での菌類フロラ調査 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (11) 赤かび病罹病コムギ小穂における赤かび病菌菌糸の進展部位 (昭和63年度地域部会講演要旨(九州部会講演要旨))
- (1) イネもみ枯細菌病菌のイネ科植物に対する病原性 (昭和63年度地域部会講演要旨(九州部会講演要旨))
- (162) イネもみ枯細菌病菌に対する籾, 穂および群落単位での感染好適期間の推定と本田での発病推移 (昭和63年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 総合防除の可能性 : アブラナ科野菜根こぶ病の総合防除を例として(農薬の 21 世紀)
- SI5 総合防除の可能性 : アブラナ科野菜根こぶ病の総合防除を例として
- PCR法による土壌細菌の高感度検出
- (292)実生苗を用いたイチゴうどんこ病菌の長期菌株保存法の検討
- (6) 揮発性静菌物質生産糸状菌によるパセリうどんこ病の防除と薬剤防除との比較 (九州部会講演要旨)
- (340) 揮発性静菌物質生産糸状菌の生産する5-ペンチル-2-フルアルデヒドの特性評価 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (5) 揮発性静菌物質生産糸状菌によるパセリうどんこ病の防除 (平成10年度九州部会)
- (68) コムギうどんこ病の発病を抑制する糸状菌が生産する芳香性物質の分析 (日本植物病理学会大会)
- (24) コムギ葉面から分離された3種の糸状菌によるコムギうどんこ病の発病抑制 (九州部会)
- (131) 東シナ海, 四国沖海洋上で捕捉した海外飛来ウンカから分離された糸状菌 (日本植物病理大会)
- (1) 採取地を異にするイネいもち病菌の温度に対する諸性質の比較 (九州部会)
- (160) コムギうどんこ病に対する葉面微生物の影響 (日本植物病理学会大会)
- 九州・沖縄地域の水稲栽培品種の畑苗代におけるいもち病圃場抵抗性評価
- (40) トマト葉かび病病斑部の葉面微生物の変動 (昭和62年度地域部会講演要旨(秋季関東部会講演要旨)
- (13) トマト灰色かび病病斑部の葉面微生物の変動 (昭和62年度地域部会講演要旨(夏季関東部会講演要旨)
- 微生物インベントリー
- 本田発病に関与するイネ葉鞘でのイネもみ枯細菌病菌の動態
- 重症穂によるイネもみ枯細菌病の被害予測
- イネもみ枯細菌病における開花頻度に関連した穂の感受性の経時的変化
- (34) コムギうどんこ病罹病葉および健全葉での葉面微生物相の経時変動 (日本植物病理学会大会)
- (100) コムギ葉面微生物相の生育時期, 葉位別およびうどんこ病罹病葉での動態 (平成2年度大会講演要旨)
- 非食用作物のバイオ燃料化における微生物の利用 (SPECIAL ISSUE 気候変動と世界の食料)
- アブラナ科野菜根こぶ病休眠胞子の発芽と感染症 : 培養できないアブラナ科野菜の病原微生物, Plasomodiophora brassicaeの生態学的研究の将来展望(「土壌・水圏におけるViable but nonculturabel (VBNC)微生物」-2)
- 1Hp09 バイオサーファクタントによる植物病原糸状菌の感染抑制(発酵生理学・発酵工学,一般講演)
- 2Cp12 葉面酵母Pseudozyma antarcticaの生分解性プラスチック分解酵素の誘導生産(環境浄化・修復・保全技術,一般講演)
- トリコテセン系かび毒を代謝する細菌由来P450酵素系(2010年度大会一般講演要旨)
- ムギ根圏土壌より分離された新規Deoxynivalenol分解細菌(2007年度大会一般講演要旨)
- ノニルフェノールポリエトキシレート散布によるイネ葉圏細菌への影響(2006年度大会一般講演要旨)
- PCR法による土壌細菌の高感度検出(微生物の環境導入とその技術的諸問題)
- ゲル作成時の温度がDGGEのバンドラインの歪みに及ぼす影響
- 2Hp20 葉面酵母Pseudozyma antarcticaの生分解性プラスチック分解酵素の高生産化の試み(環境浄化,修復,保全技術,一般講演)
- 3P-115 大豆ホエーを用いたPseudozyma antarcticaの生分解性プラスチック分解酵素の生産(環境浄化,修復,保全技術,一般講演)
- 3P-104 農業用生分解性マルチフィルムへの酵素による分解促進処理が土壌真菌相へ与える影響(環境浄化,修復,保全技術,一般講演)