5段数陽的Runge-Kutta法について
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概要
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常微分方程式の初期値問題y'=f(x,y), y(x_0)=y_0 (1)が与えられたとき, 公式y_<(n+1)>=y_n+Σ^^5__<(i+1)>μ_ik_i (2) k_i=h_nf(x_n=α_ih_n, y_n+Σ^^<i-1>__<j=0>β_<ij>k_j) h_n=x_<n+1>-x_n, α_i=β_<i0>(i=1, 2, 3, 4, 5)により, x_nにおける数値解y_nからx_<n+1>における数値解y_<n+1>を求める方法を, 5段数陽的Runge-Kutta法という. ここで, y, y', fは十分滑らかな関数からなるベクトル, y_0は初期値ベクトルであり, またα_i, β_<ij>, μ_iは定数である. (2)式の係数パラメータが, 条件α_i≧0, β_<ij>≧0(i=1, 2, 3, 4, 5, i<j), α_i≦α_j(i<j)を満足するとき, この公式は単調(一松が定義を与えた)であるという. この研究は, 誤差評価能力をもつRunge-Kutta法などで近年その実用的な意義が広く認識されるようになったが, 次数の観点からは興味が乏しく研究者たちに顧みられなかった5段数公式を, 正面から取り上げたものである. 著者は, A.Ralston, T,E, Hull らによって用いられた打ち切り精度判定基準を使い, 多変数関数の条件付最適化の手法などを駆使して, 単調で有理係数をもち, しかも打ち切り精度が最良に近い公式を導いた. 著者による公式は, 4段数の唯一の単調公式である古典的なRunge-Kutta法に対応する5段数公式で, 桁落ちなどに対してよい性質をもち, 係数が比較的簡単で精度もよく, 無理のない自然な公式である.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1979-09-15
著者
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