安定性のよい9段数7次陽的 Runge-Kutta 法について

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9段数7次陽的Runge-Kutta法の既知公式としては,Shanksによる公式と,CooperとVernerの誘導法を用いてButcherが導いた,零係数の多い公式が知られている.しかし,公式の導出自体がかなり困難なので,提案された公式は,打ち切り誤差や安定性などの観点から十分最適化されているとはいい難い.そこで著者たちは,同法の次数条件式の若干の自由度をもつ一解系を導き,その解系を打ち切り誤差および安定性の二つの観点から最適化し,好ましい公式を得た.この二つの公式中安定性の観点から最適化した公式の問題点は,x_<n+1>における数値解Y_<n+1>を求めるときの微分方程式の右辺の関数の評価点のx部に,x_nより小さい値を使用しなければならないことである.この研究において,我々は,安定多項式の絶対値が近似的に集積誤差の次のステップへの伝播率であることに着目し,著者たちによって得られた,前記の次数条件式の解系における自由度を活用し,誤差伝播特性がよく,しかも,打ち切り誤差や丸め誤差についても好ましい特性をもつ公式を導出した.その結果,我々は,既知公式に比べて安定性の面で極めて優れ,打ち切り誤差においてそれらを陵駕し,また,丸め誤差についてそれらとほぼ同等な公式を得たので報告する.これらの公式においては,前述の安定性の観点から最適化した公式における問題点も解決されている.
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-01-15

安定性のよい9段数7次陽的 Runge-Kutta 法について

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