ニューラルネットワークを用いた日本語解析の試み

概要

論文の詳細を見る
日本語の形態素解析および係り受け解析は,一種の最適化問題,すなわち制約条件を最もよく満たすようにコスト関数の値を最小とする問題,と考えことが可能であり,それゆえに相互結合型ニューラルネットで解くことが可能である.この場合,上記コスト関数はニューラルネットワークのエネルギ関数として表現される.本稿では日本語の形態解析用と係り受け解析用の二種類のニューラルネットの構成,および計算機上でシミュレーションを行った結果について述べる.形態素解析用ネットワークは,分かち書きされていない日本語文を単語単位に切り分ける.複数通りの切り分けが可能な場合は,文節数最小法と同胞同等の評価関数に基づいて最尤候補を決定し,それを出力とする.係り受け解析ネットワークは文節列を入力とし,それら文節間の係り受け関係を決定する.この際に文法的制約のみでなく,文節間の意味的制約も考慮されるような配慮がなされている.意味的制約は学習用例文中の文節間の係り受け頻度に基づいて決定された.どちらの解析においても,パラメータを調整することによって約95%の成功率を得ることができた.入力文の長さが増加しても,ネットワークが収束するまでのステップ数はあまり増加しなかった.
一般社団法人情報処理学会の論文
1991-10-15

ニューラルネットワークを用いた日本語解析の試み

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク