高速自動微分法に基づく総和・総乗演算式の偏導関数計算プログラム作成手法の開発
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概要
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グラフ理論的な考え方により偏導関数を計算するFAD(Fast Automatic Differentiation)に基づいて総和・総乗関数の偏導関数を効率的に計算するFortranプログラムの生成手法を開発した.非線形計画法の分野では,多変数関数の導関数を効率的に計算するプログラムが必要とされている.従来のFADにより総和・総乗関数の偏導関数を計算するためには,まず,これらの関数を,繰返し構造を持たない関数に展開し,それからその関数に対してFADの算法を実行する必要があった.このため,生成された偏導関数計算プログラムは,ベクトル化困難である.今回,総和・総乗演算子を,FADの処理の中で陽に取り扱うための処理手続きを開発したことにより,もとの関数の繰返し構造を反映した偏導関数の計算プログラムを生成することが可能となった.開発手法により生成されたプログラムのサイズは小さく,並列処理に適している.また,開発手法が総和・総乗演算式が多重に組み合わさった演算式に対しても適用可能であることを示した.数値実験によると,開発手法で生成されたプログラムは,ベクトル化された場合に,従来法により生成されたプログラムのほぼ100倍の速さで,すべての入力変数に対する総和・総乗関数の偏導関数の値を計算できることを確認した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-10-15
著者
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