手書き入力における字枠と行枠の幅と高さの関係式
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概要
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本研究の最終目標は, ペン入力コンピュータ画面上の手書き文字入力枠におけるデザインのガイドラインをヒューマンインターフェースの設計者に提供することである.本論文の目的は, ペン(スタイラスペン)で字を筆記する際に用いる画面上の字枠と行枠のそれぞれの, 幅と高さの関係式を求めることである.関係式を求めるために, 画面上で字を次第に小さく書いていく実験を実施した.実験で筆記した字種は, ひらがな, カタカナ, 漢字, 数字, 英語の小文字と大文字, の6字種である.これらの筆記データを用い次の結果を得た.(1)行(および字)枠における幅と高さに強い相関があることが分かった.(2)6字種のそれぞれについて, 行枠と字枠のそれぞれの, 幅と高さに関する回帰直線を求めた.(3)行枠と字枠のそれぞれの, 幅(高さ)を設定して高さ(幅)の95%の予測範囲を得る式を示した.(4)行枠の高さが平均字幅よりもほぼつねに大きいことは筆記者の字種によらない.市販されているペン入力携帯情報端末画面上における行(および字)枠の大きさは各システム固有であり, 幅と高さの関係式の存在を意識させるものはない.幅と高さの関係式は, 設計者がペン入力システムの行(字)枠画面を設計するとき, また利用者が実行時に行(字)枠の大きさを変更するときなどに有用である.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1998-07-15
著者
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