ソフトウェア設計プロセス構成法の一提案
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概要
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ソフトウェア設計技術の伝承は,ソフトウェア開発部門にとって重要な課題である.この目的を達成するためには,設計技術を顕在的に記述することが必要である.我々は,過去に設計を経験したシステムのオブジェクトおよび手順をブロセスモデルHFSPを基にして分析し,部門の標準的な設計プロセスを明らかにした.その結果,一つのシステムの設計プロセスを表現する場合,その視点を変えることによりオブジェクト中心型プロセスとフェイズ中心型プロセスの二つの表現方法があることを発見した.熟練技術者は,自分の設計経験から普遍的設計プロセスであるオブジェクト中心型プロセスを抽出して蓄積し,それを設計対象システムに合わせたフェイズ中心型プロセスに変換して設計に適用していると考えられる.これら二つのプロセス表現を比較した結果オブジェクトの遷移が重要な鍵であることを発見した.本論文ではこれを基にして,前述の二つのプロセス表現を論じた.実際の設計で作成されたオブジェクトを分析し,それを基にして具体的なシステムを設計する時のフェイズの構成法を示した.さらに,そのフェイズの中でオブジェクト中心型プロセスをどのように実行するかを示し,これによってフェイズ中心型プロセスの構成法を示した.この研究により,これまで曖昧であったフェイズの作成方法を明らかにした.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1995-08-15
著者
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