プロセスの2重化によるOSの高信頼化手法
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概要
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従来オペレーティングシステム (OS) の高信頼化は, 試験やレビューを網羅的に行い内在するソフトのパブ等の故障を排除することで追求されてきた. しかしOSはその規模や複雑さが膨大なため, 故障を完全に取り除くことは現実には不可能であった. 一方, 誤りの発生を内部で検出し回復する耐故障技術が知られており, いくつかの特殊用途のOSが耐故障技術に基づいて設計実現されている. しかし, 耐故障技術をオープンなOSに適用するためには, 様々な問題を解決しなけれはならない. 本論文では, 既存のオープンなOSの代表であるUNIXに対し, 耐故障技術の1つである "プロセスペア方式" を適用する方法を検討した. 誤りの検出, 隔離, 回復を実現するための故障管理機構を考案するとともに, 既存プログラムの修正軽減のため, 耐故障性を備えた通信機構と内部状態の安定格納機能をライブラリとして用意した. そして, 実際にファイルシステムに対し耐故障性を付与する修正を行い, ハードウェアやソフトウェアに誤りが発生しても, ユーザに知られることなく回復できることを確認した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-11-15
著者
-
金沢 裕治
富士通研究所
-
岸本 光弘
富士通研究所
-
岸本 光弘
富士通
-
中島 淳
富士通研究所
-
大橋 勝之
富士通研究所
-
土屋 芳浩
富士通研究所
-
今井 祐二
富士通研究所
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中島 淳
富士通研究所:(現在) Sco
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土屋 芳浩
富士通研
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今井 祐二
富士通研
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