マウスのIgE抗体産生におけるピレンのアジュバント活性

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ディーゼル排出粒子 (DEP) に含まれるピレンには, マウスが卵白アルブミン (OA) あるいは日本スギ花粉抗原 (JCPA) と共に感作された時, IgE抗体産生におけるアジュバント作用があることを見い出した。花粉アレルギーとDEPに含まれる化学物質のアジュバント作用との関係を明らかにするため, マウスのIgE抗体産生におけるピレンの影響を検討した。第一の実験では, マウスにそれぞれ2週間間隔で1μgのOA単純, 1μOA+1mgピレンと1μg OA+1mg DEPで6回腹腔内投与し, それぞれを感作した。OA+ピレンまたはOA+DEPで感作されたマウスにおけるIgE抗体産生はOA単独で感作されたマウスと比べて著しく亢進した。また, OA+DEPで感作したマウスでは, より高い免疫応答が認められた。第二の実験では, マウスに10μg JCPA単独または10μg JCPA+5mgピレンを用いて同様の方法で感作した。JCPA+ピレンで感作したマウスのIgE抗体産生はJCPA単独で感作したマウスより高かった。また, マウスの腹腔マクロファージを試料としてピレンを添加し化学発光を測定した結果, マクロファージはピレンにより明らかに刺激された。これらの結果は, DEP中に含まれるピレンは, OAやJCPAのような抗原に対するIgE抗体産生においてアジュバント作用を有することを示している。
日本アレルギー学会の論文
1993-08-30

マウスのIgE抗体産生におけるピレンのアジュバント活性

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