モルモットのリンパ組織に及ぼすcyclophosphamideの影響について
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概要
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モルモットにcyclophosphamide (Cy)を腹腔内投与し,各リンパ組織に及ぼす影響をロゼット形成,マクロファージの遊走能,14C-glucosamineの取り込み,マイトージェンに対する反応態度について検討した。また抗原投与前後に種々の間隔でCyを注射し,遅延型アレルギー反応成立への影響を調べた結果,以下の知見が得られた。1) Cy投与動物の胸腺細胞のウサギ赤血球ロゼット形成を経時的に調べると,100mg/kg投与では5日目で最少となり60.3%, 300mg/kg投与では7日目で最少となり,48.9%であつた。2) Cy 100mg/kg投与1週および2週目の動物の胸腺,リンパ節細胞をin vitroでCyで処理(5, 50mM)すると,約10∼20%のウサギ赤血球ロゼット形成の低下がみられた。3) あらかじめCy 100mg/kg投与した動物の腹腔マクロファージは,Cyの5 10mM/mlの濃度で70%以上の遊走阻止がみられた。また正常動物のマクロファージで,in vitroでのCy処理により14C-glucosamineの取り込みの抑制がみられた。これらのことよりマクロファージも薬剤の影響を受けることが示唆された。4) Cy 100mg/kg投与後のリンパ球のマイトージェンに対する反応を調べると,胸腺ではphytophemagglutinin (PHA)で14日,concanavalin A (Con A)で3日まで反応が減少した。脾臓ではPHA, Con Aともに5日まで,リンパ節ではPHA, Con Aともに14日目まで反応が減少した。Lipopolysoccharideに対する反応は脾臓で14日,リンパ節で21日目まで反応の低下がみられた。5) 抗原投与前後にモルモットにCyを100mg/kg投与し,遅延型アレルギー反応成立への影響を3H-thymidineの取り込みの比で検討すると,抗原投与前後少なくとも24時間以上の間隔で薬剤投与すると,遅延型反応の成立の抑制が起こることが示唆された。
- 日本細菌学会の論文
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