慢性疲労症候群患者にみられるアレルギー徴候の臨床的検討

概要

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慢性疲労症候群 (CFS) は比較的高い頻度でアレルギー徴候を伴うが, 本邦例ではなお不明である. 18例の自験CFS症例についてアレルギー徴候の臨床的検討を行った. アレルギー徴候は14症例 (78%) にみられ, また43%が複数のアレルギー徴候を有していた. アレルギー徴候の内容は多彩であったが, 薬疹を含めた皮膚に関連したものが最も多かった. 36%がCFS発症前からアレルギー徴候が存在し, アレルギー徴候はCFS発症後に軽快がみられた. 一方, 64%はCFS発症後にアレルギー徴候が出現し, そのうち67%の症例ではアレルギー徴候の出現によってCFS症状の悪化がみられた. しかし, 33%の症例ではCFS症状に影響を与えないか, あるいは軽快した. アレルギー徴候を有する症例と有さない症例との間には, 末梢血リンパ球subset, リンパ球反応性, natural killer細胞活性, IL-1β, IL-6, IFNγ濃度に有意差は認められなかった. アレルギー徴候は自験CFS症例にも高頻度にみられ, 臨床的に重要な徴候であり, 臨床経過などと密接に関連する.
日本アレルギー学会の論文
1992-12-30