スギ花粉症の発症と花粉飛散についての検討
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概要
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1989年より1991年の3年間に, 京都府立医科大学耳鼻咽喉科アレルギー外来を訪れたスギ花粉症患者延べ305人を対象に, そのシーズンで初めて発症した (以下初発と略す) 日の統計を行った. 初発日は個体差があり, 約1カ月間にわたって分布するが, 患者数統計では3年とも明瞭な一峰性のピークを示した. 最も多くの患者が初発した初発ピーク日は, 1月1日からの最高気温積算が約450℃, 日最高気温が15℃を越える暖かい日で, ほとんど雨が降らず, 南からの強い風が吹く日になる傾向があると考えられた. このような初発ピーク日は, 花粉飛散開始日より約3週間後で, 本格的飛散開始となる飛散第一ピークより3, 4日前であることがわかった. また, 初発ピーク日より前1週間の間に花粉症患者の発症率が約1割から一気に半数以上まで増加し, 飛散第一ピークの頃には全体の7, 8割が発症していることが明らかとなった. 今回の結果は, 花粉予報や花粉症初期治療を行う上で有用なものとなると考察した.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1992-09-30
著者
-
竹中 洋
京都府立医科大学耳鼻咽喉科学教室
-
高木 伸夫
京都府立医科大学耳鼻咽喉科学教室
-
高木 伸夫
Akashi City Hospital明石市立市民病院耳鼻咽喉科
-
高木 伸夫
京都第一赤十字病院耳鼻咽喉科
-
出島 健司
京都第一赤十字病院耳鼻咽喉科
-
水越 文和
京都府立医科大学耳鼻咽喉科学教室
-
河田 了
京都府立医科大学耳鼻咽喉科
-
水越 文和
水越医院
-
斉藤 憲治
社会保険神戸中央病院
-
高木 伸夫
京都第一日赤病院
-
斉藤 憲治
京都府立医科大学耳鼻咽喉科
-
斎藤 祐子
松下記念病院耳鼻咽喉科
-
昌子 均
明石市民病院耳鼻咽喉科
-
昌子 均
公立南丹病院
-
水越 文和
水越医院 京都府耳鼻咽喉科専門医会
-
斎藤 祐子
愛知県厚生連渥美病院内科
-
水越 文和
京都府立医科大学 耳鼻咽喉科
-
高木 伸夫
明石市市民病院 耳鼻咽喉科
-
竹中 洋
京都府立医大耳鼻咽喉科学教室
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