キク栽培者にみられた職業性喘息の症例
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概要
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キク栽培者にみられた職業性喘息の1例を報告した.症例は36才の女性で, ビニールハウスによりキクを栽培し, 切花を1年を通じて出荷していた.従業期間11年でアレルギー性鼻炎の症状を, ついでこれに加えてアレルギー性結膜炎, 気管支喘息の症状を呈するようになった.切花を束ねたり, 不要な葉をもぎとるような仕事をすると症状が発生し, 作業を休むと自然に緩解した.この症例ではキク花粉抗原液による皮内反応, 結膜反応, PK反応が陽性で, 微量のキクの花粉を鼻下甲介粘膜に付着, 吸入させることにより, ただちに鼻炎および軽い喘息症状が誘発された.また, キク花粉抗原液による減感作療法は著効を奏した.しかしながら, 作業の過程でキクの花粉に暴露されることはないと思われる状況であったため, キクの葉, 茎などのうぶ毛を吸入して感作され, いったんこれに感作された後は, うぶ毛, 花粉などの吸入によりアレルギー症状が誘発されるものと考えた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1979-08-30
著者
-
城 智彦
県立広島病院内科
-
河本 寛爾
県立広島病院第3内科
-
河本 寛次
県立広島病院内科
-
坪井 信治
坪井内科呼吸器科医院
-
勝谷 隆
広島県佐伯郡廿日市町
-
大塚 正
広島県己斐町
-
坪井 信治
大竹市本町
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