毛筆製造をしている地域の住民にみられた獣毛による職業性喘息ならびに慢性呼吸器疾患について
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概要
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毛筆をつくつている地域より喘息様症状を訴えて来院した49例を調査した.これらのなかには気管支喘息37例, 喘息様気管支炎9例, 肺気腫7例, 気管支喘息兼肺気腫5例, 肺気腫兼慢性気管支炎3例, 慢性気管支炎2例, 肺線維症3例, 塵肺2例, 心臓喘息1例がふくまれた.喘息症例のうちの多くは, 数種の獣毛抗原液による皮内反応, 結膜反応, 吸入試験, PK反応などで陽性を示した.また, これらのうちの12例では, 獣毛抗原液による減感作療法が著効を奏した.喘息症例の他の一部では, 喘息症状は毛筆材料より発生する細塵, ガス, たとえば, 獣毛, 植物灰, 有機溶剤より発生するガスなどの吸入により誘発された.慢性気管支炎, 塵肺, 肺線維症などの患者のなかにも, 獣毛とこれらの疾患の発生機序との間に, アレルギー学的ないし非アレルギー学的な因果関係の推定されるものがみられた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1972-07-30
著者
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