気管支喘息小児におけるインシュリン負荷による下垂体副腎皮質系の反応
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概要
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インシュリンによる低血糖刺激に対する下垂体副腎皮質系の反応を15名の気管支喘息小児と対照群について検討した.気管支喘息小児は慢性持続性の喘息発作のために国立療養所西札幌病院に入院中のものである.対象を2つのグループに分けた.グループ1:10人, 入院後ほとんど発作のないもの.グループ2:5例, 入院後も発作の反復するもの.グループ1では午前7時30分の時点で, インシュリン負荷30分後の血糖値の低下率は対照群のそれと比較して有意に低い値を示していた.それにもかかわらず, 血漿コーチゾールの値は負荷30分後にすでに負荷前値に比較して有意に高い値を示し, かつまた負荷30分後の平均増加量は対照群のそれと比較して有意に高い値を示していた.すなわちグループ1においてはインシュリンによる低血糖刺激に対して血漿コーチゾールはより早く, より多量に分泌されることを示していた.グループ2においては午前7時30分の時点でインシュリン負荷30分後の血糖低下率は対照群と比較して, グループ1と同様に有意に低い値を示していた.しかし血漿コーチゾールの値は対照群との間に差は認められなかった.午後8時の時点においてはインシュリン負荷30分後の血糖低下率はグループ1, グループ2, 対照群の間に差は認められなかった.しかし, グループ2においては午後8時での60分までの血漿コーチゾール総分泌量は午前7時のそれに比較して有意に低い値であった.負荷前の血漿コーチゾール値と負荷後の最大増加量との間には相関関係は認められなかった.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1975-09-30
著者
-
松本 脩三
北海道大学小児科学教室
-
奥野 晃正
北海道大学医学部小児科学教室
-
梅津 愛子
北海道大学医学部小児科学教室
-
門脇 純一
国立西札幌病院小児科
-
塩野 寛
国立西札幌病院小児科
-
三浦 良一
国立西札幌病院小児科
-
松本 修三
北海道大学
-
松本 脩三
北海道大学
-
梅津 愛子
札幌小児感染免疫研究会
-
奥野 晃正
北海道大学医学部内科学第2講座および小児科学講座
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