花粉アレルギー : 減感作療法の検討(小児ブタクサ喘見)
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概要
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小児アレルギーの研究会に属するわが国の主要施設の協力をえて, ブタクサもアレルゲンの1つとして有害的に働いていると考えられる喘息児131名を集計しえた.これら患児は関東南部より九州に至る間に分布していた.男女比は4:1, 学童に多く, 全喘息患児の2〜3%を占めていた.減感作療法の方式は継続的が76%, 季節前11%, 季節中13%であった.ブタクサの抗原の最高濃度は1:100〜1:1000(W/V)を使用したものが大部分であった.著者らは有効な季節前療法の探究と, 季節中療法の有効機序の解明についてレアジン, 遮断抗体, 及び患児白血球が抗原に接した際のヒスタミン遊離等の3つを示標として研究した.その結果, 病歴, 皮膚試験, 経過及び誘発試験よりブタクサ喘息であることが明らかでかつ詳しく追及しえた6名(過去にグタクサ抗原の減感作をうけたことがない)を4カ月間にわたり季節前療法を行い, 内2名は生食水を注射して対照とした.上記3示標と臨床症状の変動との間に相関がなく, 実験群と対照群との間にも有意の差がなかった.すなわち今回投与した抗原量(630〜2,300平均1,460PNU)では不充分で, 更に多量の抗原を与える必要があることが示唆された.季節中療法はPhillop, Levinの方法に準じてブタクサ喘息児10名について行った.この場合はレアジン及び遮断抗体と臨床症状の変動との間に相関はみられなかったが, 白血球からのヒスタミン遊離率の消長と, 臨床症状の変動(軽快, 増悪)との間に相関を示したものが6名みられた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1970-10-30
著者
-
富田 有祐
東女医大・小児科
-
塩田 浩政
国立相模原病院小児科
-
三島 健
国立相模原病院内科
-
城 宏輔
神奈川県衛生看護専門学校附属病院:(現)埼玉県立小児医療センター
-
三島 健
国立相模原病院小児科:(現)(社)聖母訪問会
-
塩田 浩政
国立相模原病院リウマチ・アレルギー臨床研究部
-
中島 克
国立相模原病院
-
中島 克
国立相模原病院リウマチアレルギー研小児科
-
富田 有祐
埼玉県小児保健センター
-
稲藤 良子
慈恵会医科大学小児科
-
飯倉 洋治
慈恵会医科大学小児科
-
荒井 康男
慈恵会医科大学小児科
-
城 宏輔
慈恵会医科大学小児科
-
三島 健
国立相模原病院リウマチ・アレルギー臨床研究部
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