パキスタン産ベッコウバエの1新種
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概要
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南西アジア地域における人畜有害双翅類昆虫の動物地理学的研究調査の採集品を検討した結果,日本産のベッコウバエDryomyza formosa (WIEDEMANN)に近縁な新種を発見したので報告する.この新種Dryomyza pakistana(パキスタンベッコウバエ)は翅長12〜14mmの大形種で,黄色の翅に5個の斑点をもつ点でベッコウバエに酷似するが,腹部全体が黒色光沢を帯び,胸部の中胸側板,腹胸側板,翅側板が同じく黒色光沢を呈し,これらの部分がベッコウバエでは黄褐色ないし暗褐色である点で区別される.胸背には中央黒色縦帯が無いことも大きな特徴である.中・後腿節は黒色光沢を帯び,近末端部に橙色のバンドをもち,前腿節は基部1/2が暗色で,末端1/2は黄褐色である.本新種はパキスタン各地での調査にもかかわらず,パンジャブ州Murreeと北西辺州Nathiagali一帯の針葉樹林帯からのみ採集された.これら2地点は2,000m級の山地帯の避暑地として観光客が多く訪れ,野外の人糞などに本種がたくさん集まっていた.
- 1989-06-25
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