中学生の不安傾向に関する検討(1)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
中学生の不安傾向の構造を把握することを目的として,大阪府下の平均的な状態と考えられる中学校を選定し全校生徒(男,128名,女,113名,計241名)を対象として,田研式GATを使用して,学習,対人,孤独,自罰,過敏,身体的徴候,恐怖,衝動の8つのカテゴリーにより,不安の状況について分析した。その結果2~3の所見を得たので報告する。1,中学生は各種の刺激に反応して不安傾向を示しているが,特に学習や対人関係に多くの者が不安傾向を示し,又,身体的徴候での悩みを持ち,各種要因に対して強い過敏傾向を示していた。2,性別,学年別に不安要因の特徴をみると,男性と女性では相違が認められた。更に,男性では学習不安傾向,対人不安傾向と過敏傾向,自罰傾向のカテゴリーの間に,女性では学習不安傾向,対人不安傾向と孤独傾向,衝動傾向,身体的徴候のカテゴリーとの間に関係が認められた。3,上記1・2,については思春期特有の傾向か社会的要因によるものかは今後の検討課題である。The mental anxiety was analyzed by the general anxiety test(Taken method)on the basis of 8 categories of anxiety factors in the whole 241 students(128 males and 113 females)of one junior high school chosen in Osaka Prefecture.The 8 categories consisted of learning,human relation,loneliness,self-reproach,susceptibility,physical features,fear and impulse.The following results were obtained.1.The subjects exhibited a state of mental anxiety in response to various stimuli.Especially most of them responded with uneasiness to learning and human relation.They also felt oppressed by and were acutely sensitive to their physical features.2.On examining the characteristics of anxiety factors by sexes,close correlations were found between human relation and susceptibility in first-year male students,between impulse and loneliness in first-year female students and between physical features and susceptibility in second-year female students.Furthermore,in male students,learning and human relation were related to susceptibility and self-reproach.In female students,learning and human relation showed relationship to lonelinesss,impulse and physical features.
- 大阪教育大学の論文
著者
関連論文
- 地域における健康意識と保健行動に関する研究 第2報
- ヘルスプロモーションにおける支援環境システムに関する研究 : 岡山県内の保健所及び市町村に在職する保健婦の調査から
- ヘルスプロモーションにおける支援環境システムの構築にむけて : 計画性および連携について
- 学習指導要領の改訂に伴なう中学校の学校保健教育の実態
- 学習指導要領の改訂に伴なう小学校の学校保健教育の実態
- 外国における日本人学校の学校保健の現状と課題
- 学校保健と地域保健活動との結びつきに関する研究
- 小児気管支喘息に及ぼす生活要因に関する研究(第2報) : 症状経過とそれに関連する要因
- 月経前緊張症候群における身体組成評価
- 妊娠経過に伴う皮下脂肪厚の変化
- 妊婦の不安と性格の関係
- 保健用語の誤った概念構成に関する研究
- 幼児をもつ母親の心身の状態とソーシャル・サポートとの関係
- 公園を利用する母親の特性とその要望
- 地域における健康意識と保健行動に関する研究 第3報 : 地域の役員・世話役をしているものとしていないものとの比較
- 大阪府下産科医療機関における助産婦ネットワーク
- 小児気管支喘息に及ぼす生活要因に関する研究(第1報) : 東大阪市内の小学生を対象とした調査研究
- 地域における健康意識と保健行動に関する研究(第1報) -社会生活環境の比較-
- 中学生の不安傾向に関する検討(1)
- 地域保健活動における住民参加の研究
- 学習指導要領改訂に伴う高等学校における学校保健教育の実態
- 小児気管支喘息に及ぼす生活要因に関する研究(第3報) : 発作と生活要因との関連
- 地域における健康意識と保健行動に関する研究-1-社会生活環境の比較
- 地域保健におけるCommunity Organizationと住民参加