Prostaglandin E_2の母体・胎児・胎盤における内分泌動態へおよぼす影響

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PGE_2の母体・胎児・胎盤における内分泌相互調節機構へおよぼす影響および陣痛発来への内分泌因子の関与について検討した.未破水の妊娠末期婦人に分娩監視装置にて30分間,子宮収縮のないことを確認後,PGE_2 500μg(1錠)を60分おきに6回投与し,投与前,第1錠投与後60(第2錠投与直前),120,180,360分に採血した.これらの症例の中で,子宮収縮を認めたが分娩に至らたかった13例(A群)と収縮を生じなかった6例(B群)を選び,E_3,P,hPL,Prl,Cを測定し,PGE_2の各ホルモンヘの影響を比較検討した.A群のPGE_2 投与前のE_3,P,hPL,Prl,Cは,それぞれ15.3±3.2ng/ml,222.0±49.5ng/ml,7.2±2.3μg/ml,297.4±109.6ng/ml,25.o±3.3μg/dlであり,B群では,それぞれ14.1±0.7ng/ml,223.2±30.7ng/ml,7.1±1.1μg/ml,310.7±128.5ng/ml,23.1±3.7μg/dlで,両群間の各ホルモン値に有意差を認めなかった.また,PGE_2投与前および投与中の各ホルモン値の変化では,E_3はわずかな上昇を,PはA群でPGE_2投与後180分に16.8%,B群で180分に7.3%の低下を認めた.さらに,PrlはA群で投与後120分に11.7%,B群で360分に24.8%の低下を認めたが,hPL,Cと同様,A群,B群ともに統計学的に有意の差ではたかった.以上の成績より,PGE_2投与前および投与中に,A群ではE_3,Cが,また,B群ではPが,有意の変化ではなかったが,高値を示したことは,陣痛発来と内分泌学的観点より,今後さらに検討を要する興味深い現象と考える.また,用いられたPGE_2の量と方法では,E_3,P,hPL,Prl,Cなどの母体・胎児・胎盤の内分泌に大きな影響を与えないことが証明され,このことは,PGE_2の投与中でも,胎児胎盤機能検査法の指標としてのE_3,P,hPLの役割に障害を与えたいと考えられる.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1984-08-01

Prostaglandin E_2の母体・胎児・胎盤における内分泌動態へおよぼす影響

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