視床下部-下垂体後葉器官培養系によるOxytocin分泌の研究
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概要
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Oxytocin (OT) の分泌機序については神経分泌という特殊な動態をとることから, なお不明な点が少なくない。一方, OTの分泌臓器は, 従来の視床下部-下垂体後葉系にとどまらず, 卵巣さらに胎盤と新たな展開が示されている。本研究では, 視床下部-下垂体後葉レベルのOT分泌機序解明のため, モルモットを用いたhypothalamo-neurohypophyseal complex (HNC) を使用することにより, より単純化したin vitroモデルを確立することとなった。このモデルは組織学的に細胞構築が保たれていること, 培養期間中視床下部および下垂体後葉のOT含量がほぼ一定を示していること, 100 mM KCl添加培地での放出刺激に反応すること, さらにその際組織学的に変化を示さないこと等の検証により, 充分機能しているものと考えられた。また, イオン交換クロマトグラフィーの溶出曲線により, 測定分画がOTそのものであることも確認された。本研究では, このHNCを用いて, OT分泌機序に関する物質について検討を加えた。Prostaglandin (PG) では, D_2, E_2には変化が認められなかったが, F_&li;2α>では有意のOT分泌増加が認められた。一方, brain gut peptideを用いた実験では, cholecystokinin, gastrinでは変化を認めなかったが, vasoactive intestinal polypeptide (VIP) において有意のOT分泌増加を示した。OTがVIP放出を促す報告もあるところから, OTとVIPにはpositive feedback的な機構の可能性も示唆される。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1989-03-01
著者
-
飯塚 理八
慶応大 医
-
飯塚 理八
慶應義塾大学
-
飯塚 理八
慶應義塾大学医学部産婦人科
-
萩庭 一元
慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
-
牧野 恒久
慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
-
鈴木 英明
慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
-
飯塚 理八
慶慮大
-
元山 鎮雄
慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
-
菅原 正人
慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
-
菅原 正人
あさぎり病院
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