外因性ゴナドトロピンの血中レベルと尿中への排泄
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概要
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人体に投与された外因性ゴナドトロピンの被投与個体内における運命を追求する一つのステップとして, 投与された外因性ゴナドトロピンの血中レベルと尿中ヘの排泄値との相関関係について検討を加えた. 対象としては血中のLHおよびテストステロンの値が非常な低値を示す特発性汎下垂体機能低下症の2例の男児を選び, これにヒト下垂体性のLH (HLH)であるLER 856-1を投与してその血中レベルと尿中ヘの排泄値をradioimmunoassay (RIA)により測定し両者の間の関係を追求した. 投与されたHLHの血中レベルと尿中ヘの排泄値とは必ずしも一定の相関関係を示すものではないことを推計学的な分析により知つた. 内因性ゴナドトロピンの血中レベルと尿中ヘの排泄値とが密接なる相関関係を有することは周知の事実であり, これが従来の臨床内分泌学の根底をなして来た一大テーゼであるが, それと対比して今回の外因性ゴナドトロピン投与の場合にみられた相関が認められないという結果は甚だ興味ある実験的事実と考えられる. 生体内でのゴナドトロピンの代謝, 不活性化などの運命が内因性のものと外因性のものとでは異つた様相を呈することは想像にかたくないところであり, この問題は今後更に綿密なる検討を要する重要な課題と考えられる.
- 社団法人 日本産科婦人科学会の論文
- 1971-11-01
著者
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