次硝酸ビスマスによる Cisplatin の毒性軽減に関する臨床的検討 : 特に腎毒性軽減効果について
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概要
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卵巣癌患者13例を対象として次硝酸ビスマス経口投与併用によるCDDP単独療法(BSN-CDDP療法)を計33クール行い、ビスマスによるCDDPの毒性発現の抑制効果について検討した。 次硝酸ビスマスの投与方法は50mg/kgを1日量として分3で経口投与し、CDDP投与5日前より開始した。CDDPは2時間で点滴静注し、輸液は生食2,000mlに20mEq/lのKClを加えたpost-hydrationのみとし利尿剤は原則として使用しなかった。CDDPの投与量は65mg/m^2から150mg/m^2までで、100mg/m^2以上を投与した頻度は54%をしめた。 1) 腎機能の変化:血清 creatinine、creatinine-clearance の治療6日目における変化は、前者で副作用基準Grade 0;89.8%、Grade 1;6.8%、Grade 2;3.4%であり、後者では治療前値80%以上:82%、同60%〜79%:14%、同59%以下3.6%であった。一日尿中β_2-microglobrin、NAG値の治療6日目における変化は治療前値に比し有意な上昇がみとめられた(p<0.05). 2)骨髄系の変化 : 血小板数、赤血球数の減少が認められた。治療12日目における血小板数は副作用基準Grade 0:86.5%、Grade 1:10%、Grade 3:3.5%であった。以上より、利尿剤非投与で輸液量が比較的少量である条件の下で、CDDPによる腎機能障害が軽微であったことから、ビスマス前投与はCDDPによる腎毒性がdose limiting factorである場合には有用であり、しかも簡便な方法であると言えよう。
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1987-05-01
著者
-
福田 耕一
佐賀医科大学産科婦人科
-
浜田 哲郎
癌研究会附属病院婦人科
-
福田 耕一
癌研究会附属病院婦人科
-
増淵 一正
癌研究会附属病院婦人科
-
平井 康夫
癌研有明病院細胞診断部
-
坂本 和利
勤医協札幌病院産婦人科
-
中山 一武
癌研究会附属病院婦人科
-
黒川 賀重
癌研附属病院
-
陳 瑞東
癌研究附属病院婦人科
-
黒川 賀重
癌研究附属病院婦人科
-
中山 一武
癌研究附属病院婦人科
-
斉藤 潔
北里大学医学部産婦人科
-
平井 康夫
癌研究附属病院婦人科
-
浜田 哲郎
癌研究附属病院婦人科
-
藤本 郁野
癌研究附属病院婦人科
-
山内 一弘
癌研究附属病院婦人科
-
荷見 勝彦
癌研究附属病院婦人科
-
増淵 一正
癌研究附属病院婦人科
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